店頭で見掛けると秋がきたことを実感するさんま。この時期のさんまは脂が多く、塩焼きや刺身にすると絶品でご飯が進むので食欲の秋にピッタリですよね。さんまは内臓にまで栄養がたっぷり含まれているので、育ち盛りの子どもにぜひ食べて欲しい食材なんです!今回は栄養満点な秋の味覚、さんまの栄養と豆知識をご紹介します。
1.旬の時期
さんまの漁は夏の終わり頃の時期に千島近海から始まります。本格的なシーズンは、産卵のために三陸沖から房総沖に南下してくる9~10月頃。この頃、一番水揚げ高が多いのですが、10~11月にかけて獲れたさんまは脂がのっていて最も美味しい時期です。産卵後に相模湾より南に回遊していくさんまは脂肪分が少ないので、味が落ちるものが多いのです。
2.栄養と効能
さんまは栄養価がとても高い食材なので、昔から健康の為に重宝され親しまれてきました。『秋刀魚が出ると按摩(あんま)が引っ込む』ということわざがあるのをご存知でしょうか?さんまを食べると身体のだるさが解消されて食欲も増し、マッサージにかかる必要がないほど体調が整うという意味です。さんまにはカルシウムの吸収を助ける働きのあるビタミンDが、一日に必要な量の3倍も含まれています。また、血液の流れを良くする不飽和脂肪酸のEPAは体内では作ることが出来ない成分で、さんまやイワシ、サバなどの青魚からしか摂取出来ない貴重な栄養素なんです。苦味があり苦手な人も多い内臓(わた)部分も栄養が高く、骨まで食べるとカルシウムの摂取にとても効果があります。捨ててしまいがちな部分もなるべく積極的に摂取したいですね。
栄養
- EPA(エイコサペンタエン酸)
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- たんぱく質
- ビタミンA(レチノール)、B1、B2、B12、D、E
- カルシウム
- 鉄分
- ミネラル
- タウリン
- グルタミン
- アルギニン
- ナイアシン
- 脂質 など
効能
- 血小板の凝集を抑制して血液をサラサラにする
- 脳卒中の予防
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞の予防
- 脳梗塞の予防
- 老化防止
- 神経系を正常に保たせる
- 粘膜を健康に保つ
- 溶血性貧血防止
- 血行改善
- 肩こり、頭痛、痔、しもやけ、冷え性改善
- 悪玉コレステロールを減らす
- 生活習慣病の予防
- 脳細胞の活性化
- 痴呆防止
- 学習能力の向上
- 疲労回復
- 免疫力を高める
- 悪酔い、二日酔いの予防 など
3.種類
- サンマ・・・一般的に出回っていてよく目にする種類
- ハシナガサンマ・・・細めの形で南太平洋、南大西洋、インド洋に多く生息している
- ニシサンマ・・・大型で北大西洋に生息している
- ミニサンマ・・・数センチ~10数センチ程度の大きさで太平洋や大西洋の赤道海域に生息している
4.食べ頃と見分け方
- 目がきれいで身が固く張りがあるもの
- 背色が青々としていて尾まで太っているもの(頭の後ろから背中にかけて厚く盛り上がっているものは脂がのっている証拠です)
- 口先と尾が黄色くなっているもの(栄養状態が良く脂がのっています)
- 頭を持ってピンと立つくらい張りがあるもの
- 黒目がはっきりと鮮やかで、目の周りが澄んでいて赤く濁っていないもの(鮮度が落ちると赤くなります)
- 腹が銀白色にピカピカ光っていて、ブヨブヨせずにしっかり張っていて太っているものさんまの鮮度は内臓から落ちていくので、見分ける大きな基準になります。
5.保存方法
- 内臓(わた)を取らない場合は水気を切ってから冷蔵庫に入れ、鮮度が良いその日のうちに食べ切るのが理想です。ラップに包んで冷凍保存も可能。冷凍の場合は7~10日以内に食べましょう。
- うろこと内臓を取り除いたら、軽く塩を振るか酒や酢をまぶしておくと冷蔵で2日ほどおいしく保存出来ます。
- 開きやみりん干しは3~4日は冷蔵保存が出来ますが、脂焼けしないうちに食べ切るようにしましょう。
- 三枚おろしにしてから160~170℃の油で素揚げし、冷ましてから冷凍すると1ヶ月ほど保存がききます。蒲焼きや南蛮漬けなどにするのがおすすめです。
6.切り方
さんまには2枚おろし、3枚おろし、大名おろし、筒切りなど用途に合わせた色々な切り方(下処理)があります。
- 2枚おろし・・・かば焼き
- 3枚おろし・・・刺身・竜田揚げ
- 大名おろし・・・かば焼き
- 筒切り ・・・揚げ物・煮物
さんまのワタ取り
- さんまの首のあたりで上半分に切り込みをいれます。(骨まで切ります)
- 肛門の手前で少しだけ切り込みを入れます。
- 頭を下向きに折って引っ張ります。
7.加熱時間
さんまの加熱時間・・・焼き網で15分弱
さんまの脂の中には薬効成分が多く含まれているので、塩焼きにする場合は遠火の強火で手早く焼きましょう。強火で一気に火を通すことでたんぱく質がすばやく固まるので旨味が逃げず、おいしい塩焼きが出来ます。焼き網はさんまを乗せる前に加熱して充分に熱しておくと、さんまが網にくっつきにくくなるのできれいに焼けますよ。
8.レシピ
さんまと言えば塩焼き。むしろ他の料理を作ったことがない方も多いのでは?さんまも塩焼き以外にたくさんの料理が作れるんですよ。
9.さんまと相性の良い食材
①大根おろし
脂ののったさんまにさっぱりとした大根おろしはよく合いますよね。さんまの塩焼きと大根おろしはセットのようなイメージがあるので、特に気にも留めずに当たり前のように一緒に食べている方が多いと思います。大根おろしには消化を助ける効果のあるアミラーゼやプロテアーゼなどの酵素が豊富に含まれていて、焼き魚の焦げている部分に含まれる発ガン成分を分解し、消化吸収を助けたりする効果があります。生のまま大根を食べることで熱に弱い酵素を効率的に摂取出来るというメリットもあるので、大根おろしはさんまと合わせると見た目や味はもちろん栄養面でも理にかなった最強の組み合わせになりますよ!
②レモン、すだち、カボス
さんまの脂は酸化が進むと発ガンのリスク作ったり老化を進めたりと身体に良くない成分に変化します。レモンやすだち、カボスなどの柑橘類に豊富に含まれているビタミンCはこれらのデメリットを予防する働きがあります。ビタミンCは抗酸化作用が強いのでさんまやサバなどの青魚との相性が良く、青魚に多く含まれている鉄分の吸収を高めてくれます。貧血気味の方にとてもおすすめの組み合わせです!
③かぼちゃ
かぼちゃにはビタミンEが豊富に含まれています。抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぐことが出来るのでアンチエイジングに効果絶大なビタミンEはさんまの脂と合わせると吸収率が格段に高まります。さんまと一緒に料理するのは難しいように思いますが、煮物や汁物の具などで合わせると簡単なのでおすすめです。
④チーズ
さんまは和食のイメージが強く、チーズとは合わないと思われがちですが、実はさんまはハーブやオリーブオイルなどのヨーロッパの食材とも相性抜群。カルシウムとたんぱく質が豊富なチーズと組み合わせることで相乗効果が期待出来ます。オーブン焼きや、ソテーやマリネにするのがおすすめです。
10.さんまの豆知識
①名前の漢字の由来
②新物とヒネモノ
11.さんまの栄養を効率よく摂れる調理方法
ホイル焼き、スープ
煮物、骨のから揚げ
見た目は決して華やかではないですが、さんまは栄養がぎゅっと詰まった食材です。旬のおいしい時期に家族みんなで味わってみて下さい。
最終更新日 2024年8月29日
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