お正月料理や煮物に欠かせない里芋は、縄文時代に伝わったとされている歴史のある野菜です。見た目は地味で目立たない存在ですが、実は栄養素の宝庫。里芋は皮の付近に一番栄養があるので、皮の栄養も逃さずに食べてもらいたい野菜です。今回は、里芋の栄養と豆知識、皮ごとおいしく食べる方法をご紹介します。
1.旬の時期
里芋は一年中店頭に並んでいて、季節問わず楽しむことが出来ます。品種ごとに旬は異なりますが、主流の品種のものは9~11月の秋冬の時期が一番美味しいです。8~9月が旬の品種や1~2月が旬の品種もあり、12~3月の間は主に中国産が輸入されています。
2.栄養と効能
里芋は芋類の中では特に低カロリーでヘルシーです。皮部分に最も栄養素が多く、里芋を切った時に出るぬめりはモロヘイヤやオクラ、山芋と同じ成分を含んでいます。
栄養
- カリウム
- ガラクタン(水溶性食物繊維)
- でんぷん質
- たんぱく質
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンC など
効能
- 余分なナトリウムや水分の排出を促す
- 高血圧の改善
- 胃の粘膜を保護
- 肝臓や腎臓、胃腸の機能を高める
- 腸の働きを活発にして血糖値やコレステロール値の上昇を抑制する
- 肥満防止
- 老化防止(脳を活性化)
- 動脈硬化予防
- 便秘予防
- 糖尿病予防
- 免疫力の向上
- たんぱく質の吸収を高める
- お腹を整えて肌を健やかにする
- 抗酸化作用
- 疲労回復 など
3.種類
子芋用品種
土垂(どたれ)
石川早生(いしかわわせ)
親芋用品種
唐芋(えびいも)
タケノコ芋
4.食べ頃と見分け方
里芋は、泥つきのままのものを選ぶと保存もしやすくおすすめです。足が早いので洗ってあるものは早めに使い切りましょう。
選び方のポイント
- 皮に適度に湿り気があり、丸く太ったもの
- おしりがかたく締まっていて、縞模様が等間隔のもの
- 持った時にずっしり重く、指で押しても硬いもの
表面がひび割れているものや、押したときにフカフカしているようなものは古くて傷んでいる証拠なので避けましょう。皮を剥いた状態で販売されている場合は身が白くてつやのあるものが良いです。古いと硬くなり赤い斑点が出るので注意して見てみて下さいね。
5.保存方法
里芋は熱帯地域が原産の植物なので高温多湿を好みます。乾燥と寒さに弱いため、泥つきのまま新聞紙に包んで常温保存しましょう。30~40cmくらいの深さの土の中に埋めれば春まで長期保存が可能になります。洗ってあるものはビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存し、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
6.切り方
- 六方むき・・・上下を切り落としてから、六面になるように上から下へと皮をむきます。きれいな六角形になるように切る切り方で、お正月料理や縁起の良いイベントなどの料理によく使われています。
- 輪切り・・・丸の状態で薄めに切ります。オーブンで焼いたりグラタンにしたりするのにおすすめです。
- 半月切り・・・里芋を半分にした後、料理に合わせて5mm~1cm程度の幅で切ります。豚汁や汁物などに向いています。
- 乱切り・・・火の通りを均一にするために、なるべく同じ大きさになるように切ります。面が大きいので早く火が通りやすく、味が染み込みやすいです。
- 4つ割り・・・里芋を半分にした後、もう半分に切ります。食べやすい大きさになる切り方で、煮っころがしや筑前になどにおすすめです。
7.加熱時間
茹でる場合
電子レンジで下ごしらえする場合(6~10個程度)
8.レシピ
煮物に使われがちな里芋のあらゆるレシピを紹介します。
9.里芋と相性の良い食材と期待出来る効果
里芋は、イカ、鶏肉、豚肉などのたんぱく質を多く含む食材と一緒に摂取するのがおすすめです。たんぱく質から得られる血圧の上昇を抑える効果に、里芋の血圧を下げる働きがプラスされて相乗効果が見込めます。
他にも
- 卵、鰯、鰹・・・体力の増強
- 湯葉、鰹節・・・脳を健康に保つ効果
- えのき、こんにゃく、ごぼう・・・高血圧予防
- 昆布、味噌、玉ねぎ、唐辛子・・・血行促進
人参や大根などの根菜類も相性抜群です。
10.里芋の豆知識
里芋が縁起が良いと言われる理由
里芋のぬめりの理由と簡単な対策方法
里芋を皮ごと食べるメリット
里芋の栄養素を逃さずに摂取できる
下ごしらえに面倒な準備が不要になる
里芋を皮ごとおいしく食べられる調理方法
蒸す
- 洗った里芋はヒゲ根を取ってから一口大にカットします。加熱のムラが出ないようになるべく同じくらいの大きさに揃えて切るのがおすすめです。
- カットした里芋を蒸し器に入れて10~20分ほど蒸し、竹串がスッと刺さったらOK。
お好みで塩や味噌、バターなどをつけて食べるとおいしいですよ♪
揚げる
- 洗った里芋を一口大にカットしてから蒸し器で蒸すか鍋で柔らかくなるまで茹でます。
- 火が通ったら180℃の油で表面がカリッとするまで揚げて完成。
塩やケチャップをかけるとおいしいです!素揚げ以外にもフライにすると衣でコーティングされるのでさらに違った食感が楽しめますよ。
里芋は古くから親しまれてきた栄養満点の野菜です。皮が剥いてある状態で冷凍して販売されているものもあり、コツさえ抑えれば下準備も決して面倒ではありません。いろいろな調理法でおいしく楽しく積極的に食卓に取り入れてみて下さい。
最終更新日 2024年8月3日
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