サッと炒めるだけで立派なおかずになり、料理のカサ増しにも使えて便利なもやし。値段も安価で家計にも優しく、食卓に登場する回数も多いのではないでしょうか?白くてヒョロヒョロした見た目のためか栄養がないと思われがちですが、実は栄養がバランス良く含まれていてダイエットにもピッタリの食材です。今回は、知られざるもやしの栄養効果と豆知識をご紹介します★
1.もやしとはどんな野菜?
もやしと聞くとスーパーなどに売っている豆から出来たものをイメージしますが、実はもやしは植物名ではなく豆類や米、麦などの種子を水に浸して暗所で発芽させて成長させたもののことを意味します。漢字で書くと『萌やし』と表され、わらびやたけのこ、「スプラウト」とも呼ばれるかいわれ大根やブロッコリーの新芽ももやしの仲間に含まれます。一般的には緑豆や大豆から出来ているものを指していますが、野菜の名前では無いとはビックリですね!
2.栄養と効能
もやしは95%が水分で低カロリーですが、『畑の肉』と言われるくらい栄養豊富な大豆から作られているのでダイエットにも最適な食材です。
栄養
・タンパク質
・炭水化物
・カロテン
・ビタミンC(豆の状態ではほとんどありませんが、発芽することによって形成されて一気に増えます)
・カルシウム
・食物繊維
・ビタミンB1・B2(豆の状態の約3倍)
・鉄分
・カリウム
・葉酸
・アミラーゼ
・トリプトファン
・アスパラギン酸
・リジン など
効能
・肥満予防
・動脈硬化の予防
・血圧を下げる
・造血作用
・疲労回復
・スタミナアップ
・免疫力の向上
・風邪、インフルエンザの予防
・肌にハリを与えるコラーゲンの生成
・貧血予防
・デンプンの消化を助ける
・生活習慣病予防 など
3.種類
緑豆もやし
一番主流で出回っている品種。別名「あおあずき」と呼ばれる、春雨の原料としても使われている豆から作られています。茎が長くて太く、甘みがあるのが特徴。他のもやしと比べるとビタミンCやタンパク質が多く含まれているもやしです。
ブラックマッペ
別名「けつあずき」と呼ばれる黒い豆から作られています。細長く、もやし独特の風味が強いのが特徴。広島のお好み焼きなどで使われています。
大豆もやし
太くて長く、シャキシャキとした歯触りが特徴。「根切りもやし」とも呼ばれます。アミノ酸による旨みが強く、タンパク質が豊富です。韓国料理のナムルやビビンバ、もやし炒めなどによく使われていますが、豆がついているので火が通りにくく、炒め物よりは鍋料理などに使うのがおすすめの品種です。
アルファルファ
糸のように細くてやわらかいので別名「糸もやし」とも呼ばれます。紫うまごやしという牧草の種子から作られていて、タンパク質、無機質、ビタミン類が豊富。コレステロールを下げる働きもあります。シャリっとした歯触りと旨みが特徴で、食感を生かしてサラダなどにすると美味しいです。
4.食べ頃と見分け方
選ぶポイント
- 全体的に白く、透明感のあるもの
- 茎が太く、折れていないもの
- 根がパリッとしているもの
- ピッタリと空気を抜いて袋詰めされているもの
避けた方が良いもの
- 芽や根が変色してしおれているもの(古くなっている証拠)
- 豆が開いているもの(栽培のしすぎ)
- 水につけた状態で販売されているもの
- 袋の中の水が濁っているもの
5.保存方法
もやしは足が早く傷みやすい食材なので、出来れば購入したその日のうちに使い切るのが理想です。冷蔵庫に入れているだけでビタミンCが約30%も減少するという報告も。もやしをそのまま保存する場合は袋に爪楊枝などで一ヶ所穴を開けてから冷蔵庫に入れるか、密閉容器に水ともやしを入れて冷蔵庫に入れるのがおすすめです。水は1日1回取り替えてくださいね。
サッと茹でてから水気をよく切り、密閉容器に入れて冷蔵庫に入れると美味しさが少しだけ長持ちしますが、次の日までには食べるのがおすすめです。実はもやしは冷凍保存も可能。冷凍する場合は油で軽く炒め水分を閉じ込めてから小分けにして冷凍庫に入れるか、サッと茹でて水気をよく切り、ジップ付き保存袋に入れてしっかり空気を抜いた状態で冷凍庫に入れると1〜2週間はOKです。使いたい時は解凍せずにそのまま使うと味が落ちることなく美味しく食べることが出来ますよ。
6.加熱時間
もやしに含まれる栄養素は加熱によって壊れてしまうものが多いので、加熱時間は出来るだけ短く抑えるのがポイントです。茹でる場合は沸騰したお湯で10秒程度でOK。炒め物はもやしを一番最後に入れるようにすると、もやしのシャキシャキした食感や豊富な栄養素を失わずに楽しめますよ。蒸し料理にするのと水分が流れ出にくいのでおすすめです。
7.もやしと相性の良い食材
①レバー、ほうれん草、うなぎ、納豆などのビタミンB2が多く含まれているもの
もやしにはビタミンCが豊富に含まれていますが、ビタミンB2の多い食材と一緒に摂取するとお肌の健康維持にとても効果的です。一番のおすすめは鉄分も豊富なレバー。ビタミンCには鉄分の吸収を助ける働きもあるので、もやしとレバーを炒め物にすると美容効果だけでなく貧血予防や症状の改善効果も期待出来ますよ。レバーが苦手な方も多いので、ほうれん草やうなぎなど食べやすいものを組み合わせて食べてみてくださいね♪
②玉ねぎ、こんにゃく、セロリなど
もやしと一緒に食べることで高血圧や動脈硬化の予防などの相乗効果が期待出来ます。
③アサリやシジミなどの貝類
もやしと一緒に食べることで脳の活性化や肝臓病の予防などの相乗効果が期待出来ます。
④人参
人参にはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンはもやしには不足している栄養素なので、人参と一緒に食べると栄養バランスもさらに良くなり、美肌効果を高めることも出来ますよ。
8.もやしの豆知識
もやしはどうやって育つ?
一般的に植物や野菜は水をあげて太陽の光をたくさん浴びることで育ちますが、もやしは光がなく暗い場所で育ちます。さらに水以外には何も必要なく、肥料も要りません。豆の中に含まれている栄養を使って自分自身のエネルギーで頑張って育つので、水さえあれば光も肥料も必要無いもやしに栄養がたっぷり詰まっているのも納得ですね。無添加、無農薬の清浄野菜なので安心ですし、健康にも良い野菜です★
もやしの下ごしらえのポイント
もやしを調理する時に「洗ったほうが良いかな?」と悩んだことがある方も多いのではないでしょうか?もやしは無農薬で栽培されていて、出荷する時には洗浄してから袋詰めされているので洗わずにそのまま使っても大丈夫です!もやし特有の匂いが気になる場合はザルに入れて折れないようにサッと洗いましょう。
もやしに豊富に含まれているビタミンCは水溶性で水に流れ出てしまうので、あまり長い時間強く洗わなくてOK。また、もやしに付いているひげ根や豆の皮には繊維質や旨みが多く含まれています。切ると見た目や食感は良くなりますが、せっかくの風味や栄養を損なわないためにはそのまま調理するのがおすすめです。
おすすめのもやしの調理法
もやしは炒め物などのメイン料理から和え物やおひたし、サラダなどの副菜、スープ、鍋料理、ラーメンのトッピングや焼きそばの具などいろいろな料理で楽しむことが出来る万能な野菜です。茹でる時は短時間でサッと茹でてからザルにあげて冷ましておくとシャキシャキとした食感をしっかり残すことが出来ます。炒め物にする場合は手早く強火で炒めるのがポイント。
もやしは低価格で購入出来るので料理のかさ増しにも使いやすいだけでなく、満足感も得られやすいのが嬉しいですよね。冬になると食べたくなる鍋料理にももやしは大活躍!もやし鍋専用のスープも販売されているほどの人気です。
また、健康志向の方やダイエット中の方には麺やご飯などの主食の代わりにもやしを使って作るヘルシーなレシピが注目されています。パスタの麺をもやしに置き換えてカルボナーラやペペロンチーノにしたり、中華スープに入れてラーメン風にしたり、玉ねぎと一緒に甘辛く煮た牛肉を乗せて牛丼風にしたりと楽しみ方は色々。しっかり食べられてお腹も満足なのに低カロリーで栄養もちゃんと摂れるので健康にも良いですね♪
「もやしっ子」という言葉があり、なんとなく弱々しいイメージを持ってしまいがちのもやしですが、栄養満点で家計にも優しく何にでも合うのでいろいろなアレンジで積極的に摂してみて下さいね。
最終更新日 2024年5月3日
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