生?茹でる?栄養価が高いのは?何にでも使える人参の栄養と豆知識

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スーパーでもよく見かけるので野菜の中でも馴染みがある人参。生のままでも食べられて、炒めたり煮込んだり茹でたりと調理方法も様々。何にでも万能に使える便利な野菜です。常に冷蔵庫にストックされているご家庭も多いでしょう。独特の風味が苦手な子どもも多いですが、栄養価も高いので出来れば積極的に食べて欲しいですね。今回は、そんな栄養豊富な人参の栄養や豆知識をご紹介します♩

1.旬の時期

人参は一年中コンスタントに流通していますが、実は10〜12月頃の秋から初冬にかけてが旬の時期の野菜です。この時期の人参は甘みがさらに増していて栄養価も高まっていますよ♡雪が多く降る地方ではあえて旬の秋には収穫せずに、人参を雪の下で冬を越させてさらに甘みを凝縮させる『雪下人参』という栽培も行われています。

2.栄養と効能

人参には一日の必要摂取量を満たせるほどのβカロテンや食物繊維が豊富に含まれていて、緑黄色野菜の中でもトップクラスの栄養価です。βカロテンは皮に近い部分に特に多いので、出来るだけ剥かずに食べるのがおすすめです★

栄養

・βカロテン(体内でビタミンAに変わる)
・食物繊維
・カリウム
・ビタミンE
・葉酸
・ビタミンB1.B2
・ビタミンC
・カルシウム
・ミネラル
・リコピン(色が赤い系の人参) など

効能

・抗酸化作用
・がん予防
・老化防止
・皮膚や粘膜を丈夫にする
・免疫力を高める
・高血圧予防
・体の成長を促す
・視力や目の角膜を健やかに保つ
・若々しさを保つ
・体内の余分な塩分を排出する
・貧血を防ぐ
・心臓病予防
・動脈硬化の予防
・生活習慣病の予防
・風邪予防
・内臓を温めて血を補う
・冷え性の緩和 など

3.種類

スーパーなどでよく見かける人参は大体同じ品種なので「人参に種類がそんなにあるの?」と思ってしまいがちですが、実は人参は太くて短いのが特徴の西洋種と細長い東洋種に分けられ、とてもたくさんの種類が栽培されています。人参=オレンジ色というイメージを持っている方がほとんどだと思いますが、紫や白、黄色、赤などたくさんの色の品種があるんですよ。その一部を紹介します。

  • 西洋人参(五寸人参)
    市場に主流で出回っている一般的な人参。クセがなく食べやすいのでサラダや煮物、炒め物、揚げ物など何にでも合い調理しやすい。
  • 金時人参
    赤くて細長く30cmほどの長さが特徴。やわらかい食感で甘みが強く、お正月料理の彩りに欠かせない人参。
  • 姫人参
    ミニサイズで甘みがあり、やわらかいのでサラダや生食用としておすすめの人参。
  • 琉球人参(島人参) 
    沖縄のみで栽培されていて耐暑性が強いのが特徴。黄色で細長く、長さは30〜40cmくらい。甘みがあり、煮物や炒め物に最適。
  • 山内人参
    北海道の在来種から選抜育成された秋田の伝統野菜。鮮やかな赤色で長さは30cmほどの太くて長い人参。甘みが強くて香りも良く、パリッとした食感が特徴。漬物やサラダ、煮物や鍋物にしても煮崩れしにくいです。
  • 子安三寸人参
    「オックスハート」という品種を日本で改良した固定種。長さ8〜10cmほどの小さめサイズで、シャキッとした歯応えが特徴。
  • 熊本長人参 熊本の伝統野菜の一つ。細長い見た目から、長生きを祈願したり物事が丸く収まるようにと願ってお正月などに食べられている縁起物です。
  • 飛騨長人参
    飛騨高山地方名産の長人参で、耐寒性があり甘みと香りが強いのが特徴。皮の下の部分は栄養豊富で味も特に甘いので、皮を剥かずにそのまま食べられます。
  • ルナホワイト
    フランスやベルギーの伝統野菜で、一見大根のような白い人参。加熱するとホクホクとして甘いです。
  • マルーシュカ
    ヨーロッパの在来種の人参。薄いクリーム色でなめらかな食感です。元々甘みが強いですが加熱調理するとより甘さが引き立ち、ほんのりセロリのような香りもします。
  • グニフパープル
    スイスの伝統野菜の一つ。鮮やかな紫色が特徴。
  • ラブリーキャロット
    ぱっと見では人参に見えない球形の玉人参。切らずにそのまま丸ごと調理出来ます。長さが無いのでプランターでも手軽に栽培可能な品種です。

4.食べ頃と見分け方

選ぶポイント

  • ヘタが赤くてなるべく小さいもの
  • みずみずしく、変色していないもの
  • 皮の色が濃いオレンジ色で全体的に均一なもの
  • 表面にツヤがあり、実が締まっていてしっとりとした感触のもの
  • 形は太めで全体に丸みがあるもの
  • 葉が付いている場合は緑が鮮やかでみずみずしいもの

避けた方が良いもの

  • 先のとがったもの
  • ヒゲ根が多いもの
  • ひび割れや傷があるもの
  • ヘタが大きいもの(成長しすぎているので硬く、味が落ちています)
  • 葉の色が変色しているもの

5.保存方法

人参は乾燥に弱いので、キッチンペーパーなどに包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。可能であれば立てて保管するのが良いですよ。ヘタや葉をそのままにしておくと栄養がどんどん吸い取られて劣化してしまうので、冷蔵庫に入れる前に必ず切り落としましょう。冬場であれば必ずしも冷蔵庫に入れなくても、ポリ袋で乾燥を防げば常温で1〜2週間保存可能です。

カットしたものはしっかりとラップで包み、冷蔵庫に入れて3〜4日以内には食べ切るのがおすすめ。収穫したての土付きのままのものは新聞紙に包んで風通しの良い場所に置いておきます。土に埋めればさらに長く持たせることが出来ますよ★人参を冷凍保存したい場合は使いやすい大きさにカットしてから固茹でし、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍庫に入れればOKです。

6.切り方

人参は繊維に沿って切るとシャキシャキとした歯応えになり、繊維に垂直に切ると味がよくしみ込んでやわらかい食感になります。切り方次第で味のしみ方や食感が違ってくるので、作る料理に合う切り方をするとさらに美味しく楽しめますよ♡輪切りにしてからクッキーの型でくり抜くことも出来るので、見た目が可愛くなるだけで人参が苦手なお子さんも喜んで食べてくれるかも!?

  • 乱切り
    カレーやシチュー(ゴロゴロした見た目も楽しめます)、肉じゃがなどの煮込み料理におすすめ。
  • いちょう切り
    スープ、カレー、シチュー、煮物におすすめ。一つ一つが小さくなるので、子どもも食べやすい大きさです。
  • 半月切り
    スープ、炒め物、厚めに切るとカレー、シチュー、煮物などにおすすめ。
  • 千切り
    生のままでサラダか、サッと加熱して和え物にすると美味しいです。
  • 短冊切り
    炒め物、和え物、焼きそばやちゃんぽんなどの具材にも最適です。
  • 細切り
    きんぴらなどの炒め物やかき揚げなどにおすすめ。
  • みじん切り
    ミートソース、チキンライス、ドライカレー、ハンバーグなどにピッタリ。人参が苦手な人でも食べやすくなるのでおすすめです。

7.加熱時間

人参は熱湯に入れて茹でると表面と内部に温度差が出来てしまうので、中までしっかり火を通すと煮崩れてしまう原因になります。水から茹でてじっくりと火を通すようにしましょう。千切りや薄切りなどにすると短時間で火が通るので急いでいる場合などは切り方を工夫すると良いですよ。

加熱時間の目安

  • 一口サイズの乱切り(カレーなど) 水から茹でて15~20分ほど。
  • レンジで加熱する場合は大さじ1の水を振り掛けてからラップをして加熱します。人参約100gに対して600Wで1分半〜2分ほど。

8.人参と相性の良い食材

①ごぼう

人参とごぼうは同じ根菜類なのでとても良い組み合わせです。どちらも食物繊維が豊富に含まれている為、相乗効果で便秘解消や肌トラブルの解消に効果的です♡

②油

人参に多く含まれているβカロテンは油に溶けやすい性質のため、油を使って調理すると栄養素を効率良く摂取することが出来ます。

③酸味の強いもの(お酢・柑橘類・ヨーグルト・梅干しなど)

人参と酸味を合わせると人参の甘みをさらにアップさせる効果があります。また、下処理に使うと人参独特の香りを減らせる効果もあるので、人参の風味が苦手な方にもおすすめの組み合わせです!

④ごま

人参とごぼうにはどちらもビタミンEが含まれています。一緒に摂取することで相乗効果が期待出来、体の老化を防いだり若々しさを保てます。

⑤しらす

しらすに含まれているカルシウムには骨や歯を強くしたり、高血圧を防ぐ働きがあります。人参には血圧を下げる働きをするカリウムが豊富に含まれているので、しらすと組み合わせることで高血圧の予防の効果がさらに高まりますよ。

⑥乳製品

乳製品には、人参に豊富に含まれているβカロテンの吸収を助ける働きがあります。他にも、疲労回復効果のあるビタミンB2も多く含まれていて、目の疲れを回復したり充血を解消したりする働きがあるので人参と合わせてシチューやチーズ焼きなどにするとお子さんも食べやすく、栄養がしっかり摂れるのでおすすめです♡

9.人参の豆知識

①人参の皮は皮ではない!?

人参を調理する時、何の疑問も無くピーラーで皮を剥いている方が多いのではないでしょうか?皮だと思って剥いている部分は実は皮ではなく、人参の実の部分です!人参の本当の皮はとても薄い膜状の物で、収穫されて出荷される前に洗浄する段階で泥を落とす時に一緒に取れてしまっています。お店などでよく目にする人参はすでに皮が剥かれている状態なんですよ。

人参の栄養素、香り、旨みは多くが皮周辺に含まれているので、たわしなどを使ってキレイに洗ってからそのまま料理するのが理想です。しかし、皮が剥かれているとは言っても表面はデコボコしていてひげ根が生えていたり、硬くて火が通りづらかったり、見た目や食感が気になってそのまま食べるには抵抗がある方も多いと思います。その場合はスプーンを使って人参の表面を薄く剥くのがおすすめ。スプーンの根本をしっかりと持って人参の上から下へ少し強めに削るようにすると包丁やピーラーを使うよりも薄く剥けるので便利ですよ。

②人参は葉も楽しもう!

人参の葉は根と比べて栄養分がとても豊富に含まれている立派な緑黄色野菜です。ビタミンAは2倍以上、タンパク質(スレオニン・リジンなどの必須アミノ酸)は3倍、カルシウムは5倍、他にも鉄分・脂質・ビタミンCなどがたくさん。葉が付いたままの人参はスーパーなどではなかなか見掛ける機会が少ないですが、もし手に入った時には捨てずにぜひ食べてみてくださいね。刻んでから煮てしょうゆなどで味付けしたり、おひたしや炒め物、天ぷらなどにしても美味しいですよ★

③人参の調理のコツ

スーパーなどで購入した人参は洗ってそのまま使うのが理想ですが、ピーラーなどで剥いた場合は捨てずにきんぴらやスープに使うとせっかくの栄養素を無駄にすることなく摂取出来ます。また、人参の風味が苦手な方は酸味を加えて下処理すると独特の香りを減らすことが出来るのでおすすめです。人参を切ってから塩もみし、水気を切ってからお酢を少量加えるだけでOK。簡単なので試してみてくださいね。

④人参は万能薬

栄養満点な人参は昔から色々な症状の改善に重宝されています。薬がなかなか飲めない妊婦さんや授乳中の方、小さいお子さんに試してみるのも良いかもしれませんね。

  • 下痢 
    人参をやわらかく煮て潰すか、すりおろして食べると下痢の改善に効果があります。
  • 高血圧 
    人参約100gをミキサーなどでジュースにして、1日に2〜3回飲むと高血圧に効果的です。
  • 咳や気管支炎 
    人参をすりおろして食べたり、しぼり汁を飲むと咳や気管支炎の改善に効果があると言われています。
  • しもやけ 
    人参をすりおろした汁をしもやけの部分にすり込んでマッサージすると痒みが改善する効果があります。

和洋中問わず使いやすく、栄養豊富な人参。料理だけでなくお菓子やジュースなど色々なバリエーションで楽しんでみてはいかがでしょうか。

最終更新日 2024年10月1日

    Hata
    記事を書いた人 :

    わんぱく3兄弟の育児に毎日奮闘中!
    100均、300均などのプチプラ雑貨が大好きなので
    お金を掛けずに頑張りすぎないおしゃれで楽しい暮らしを
    目指して日々試行錯誤しています★

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