夏になると食べたくなる枝豆は、塩茹でするとスナック感覚で手軽に食べられるのでお子さんのおやつやビールのおつまみにぴったり。そのまま食べるだけでなく、ご飯や炒め物、サラダ、お弁当のおかずなどさまざまな楽しみ方ができますよね。ほど良い塩加減と食感でついつい手が止まらなくなってしまいがちですが、食べ過ぎはダメと言われているのをご存知でしょうか?その理由や、栄養と豆知識など枝豆についてまとめてみました!
1.旬の時期
枝豆というと夏のイメージが強いのではないでしょうか。枝豆は大豆がまだ緑色で未成熟の若いうちに枝ごと収穫したもので、7〜9月頃が旬の時期となり、大豆はそこからさらに成熟した10月頃に収穫されます。枝豆の中には、一般的なものよりも遅く9〜10月末に旬の時期を迎える「丹波黒枝豆」という希少な品種もありますよ。現在では冷凍技術や物流技術が発展したこともあり、中国や台湾、タイなど世界のいろいろな国から冷凍枝豆が一年中安定して輸入されているため、旬を問わずいつでも美味しく食べることができるようになりました。
2.栄養と効能
栄養
・食物繊維
・糖質
・脂質
・βカロテン
・ビタミンC
・カリウム
・メチオニン
・イソフラボン
・葉酸
・ビオチン
・ビタミンK
・マグネシウム
・炭水化物
・亜鉛
・銅
・たんぱく質
・カルシウム
・鉄分
・リン
・マンガン
・フィチン酸 など
効能
・夏バテの予防
・高血圧の予防と改善
・むくみの解消
・体内の余分な塩分を排出する
・二日酔いや飲みすぎの予防
・アルコールの分解を促し、肝機能の働きを助ける
・美肌効果
・動脈硬化の予防
・腸内環境を整える
・女性特有の不調を和らげる
・筋肉や骨などの身体を作る
・ホルモンバランスを整える
・更年期障害の改善
・免疫力の向上
・便秘の予防
・筋肉の収縮を正常に保つ
・胎児の発育を促す
・糖尿病の予防
・肥満の予防
・抗酸化作用
・出血を止める血液凝固作用
・骨形成の調節
・貧血の予防
・血圧や体温を安定させる
・悪玉コレステロールの減少を促す など
3.種類
枝豆の発祥は中国または東南アジアとされており、朝鮮半島を経由して日本に伝わったと考えられています。日本での歴史も古く、奈良時代や平安時代にはすでに現在と同じように食べられていたそうです。枝豆は、元々は大豆を発芽させてもやしになったものをさらに2ヶ月ほど成長させ、緑色の未成熟な状態で早めに収穫したものです。大豆の種子の成長過程と収穫時期によってもやしから枝豆になり、そこから大豆へと呼び名が変わっていきます。
しかし、近年では枝豆として食べられる枝豆専用の品種と、大豆として利用される大豆専用の品種に分けて栽培されていることが多く、目的に応じて育て分けられていることがほとんどになっています。枝豆専用の品種だけでも400種類以上あると言われており、主に流通しているのは白毛系(青豆)、薄い茶色の皮が特徴の茶豆、黒大豆を早採りした黒豆の3種類です。また、枝豆は鮮度が落ちるのが早いため地産地消であまり他県に出回らない傾向にあることから、特定の地域だけで栽培されていて希少価値の高い地方固有のブランド品種も多くありますよ。
枝豆は大豆と同じマメ科ダイズ属ですが、実は豆類ではなく緑黄色野菜に分類されます。枝豆に含まれている栄養素と大豆に含まれている栄養素には違いがあり、大豆には含まれていない栄養素が豊富に含まれているなど、枝豆は栄養価的に豆と野菜の良いところ取りのような利点を持っているのが大きな強みです。また、枝豆は茹でて食べられることが多いですが、大豆は煎ったり蒸したり煮たりしてさまざまな料理にしたり、豆腐、味噌、納豆、醤油などの加工品が豊富に作られているのが特徴です。
白毛系
★主な品種…湯上がり娘
茶豆
★主な品種…だだちゃ豆
黒豆
★主な品種…丹波黒(黒豆枝豆)
4.食べ頃と見分け方
枝豆は収穫後は鮮度が落ちるのが早いため、できるだけさや付きで新鮮なものを選びましょう。
見分けるポイント
- さやが鮮やかな緑色でしっかりと張りがあり、中の豆が均等に入っているもの
- 枝の節と節の間隔が短く、さやが密集しているもの
- 産毛にしっかりと覆われていて、みずみずしくふっくらしているもの
避けた方が良いもの
- さやがパンパンに膨れているもの(育ちすぎていて香りや食感が落ちている可能性があります)
- 茎の付け根が茶色くなっていたり、葉っぱが萎れて元気のないもの(劣化している証拠)
- さやが茶色に近く、皮を剥くとぬめりがあるもの(腐っている証拠)
5.保存方法
枝豆は収穫後すぐに鮮度が落ちてしまいます。時間の経過とともに風味や栄養価も損なってしまうので、なるべく早めに茹でるか冷凍して保存するのがおすすめです。茹でた枝豆を冷蔵庫で保存する場合は2〜3日以内に食べ切らないと、粘りが出たり変色したりしてすぐに傷んでしまいます。枝豆を生のまま保存する場合は湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包んで乾燥を避け、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室か日の当たらない涼しい場所で保存しましょう。
できるだけ立てた状態で保存するのがベストですが、それでも2〜3日程度しか保存することができません。すぐに食べ切れない場合や長めに保存したい場合は、ジップ付き保存袋に入れて冷凍しましょう。冷凍しておくと1ヶ月ほど保存することができますよ。枝豆を冷凍する場合は生のままでも茹でてからでもOKですが、茹でてから冷凍しておけば必要なときにすぐに使えるので便利です。保存用に茹でる場合はやや固めに茹でるのがポイント。完全に冷めてから水気を切り、冷凍庫に入れましょう。
料理に使いたい場合はさやから出して豆だけを冷凍しておくと使いやすくなりますよ。冷凍した枝豆を食べるときは全体的に熱湯にサッとくぐらせるか、電子レンジ(500〜600W)で1〜2分ほど加熱しましょう。野菜を冷凍すると栄養が損なわれてしまうイメージを持っている方も多いかもしれませんが、枝豆は冷凍しても栄養価は変わりません。生の枝豆を自分で茹でる方が栄養が多く感じますが、市販されている冷凍枝豆も含まれている栄養価はほとんど同じです。
6.加熱時間
枝豆は収穫直後をピークに、栄養価も美味しさもどんどん減少していきます。そのため、できるだけ早く加熱調理するのがおすすめです。枝豆を茹でる前にさやの両端をキッチンバサミなどを使って少し切り落としてから茹でると、塩味が中までしっかりと浸透しますよ。余熱でも火が通るため少し硬めくらいに茹でると美味しく仕上がりますが、枝豆は消化があまり良くないため小さいお子さんやお年寄りが食べる場合は少し柔らかめにすると消化しやすく、お腹に優しくなります。また、枝豆を加熱する前に塩でもみ、表面の産毛を落とすことで汚れやアクが取れるので色鮮やかに美味しく仕上がります。せっかくなら一手間かけて、美味しい枝豆を楽しみましょう♡
基本的な茹で方
- 枝豆をさやごと流水で洗う。/li>
- 枝豆200〜250gに対して塩小さじ2を振りかけて、ゴシゴシと手で強く握るようにしながら塩もみをする。
- 沸騰したお湯の量に対して4%の量の塩と②の枝豆を入れて3〜4分茹でる。塩もみしたまま洗い流さずに入れましょう。
- 枝豆をザルにあけて、扇風機やうちわなどで風を当ててなるべく早めに冷ます。
※水に浸けて冷ますのは厳禁!塩気がなくなり、水っぽくなってしまいます!
電子レンジで加熱する場合
- 枝豆をさやごと流水で洗い、塩もみしてから軽く洗い流す。
- 枝豆を耐熱容器に重ならないように並べてふんわりとラップをかける。
- 電子レンジ(500〜600W)で5分ほど加熱する。
※様子を見てまだ固い場合は30秒ずつ追加で加熱しましょう。
蒸す場合
- フライパンに180ccの水と塩小さじ2を入れて沸騰させる。
- 枝豆をさやごと流水で洗う。
- 枝豆200〜250gに対して、塩小さじ2を振りかけて塩もみをしてから軽く洗い流す。
- ③の枝豆をフライパンに広げて蓋をし、中火で5〜10分ほど蒸し焼きにする。
枝豆をさらに美味しく仕上げる&劣化した枝豆を復活させる裏技
また、枝豆は鮮度が落ちるのが早いので「気づいたら劣化してしまっていた…」ということも珍しくありません。もしも手元にある枝豆の劣化が進んでしまった場合には、茹でるときに塩と同量の砂糖を入れて茹でるのがポイントです。
抜けてしまった枝豆のほのかな甘みが復活し、採れたてのような風味が楽しめます。茹でる前に傷んでいないかしっかりと確認してくださいね。枝豆の色が悪くなってしまった場合には、茹でる前に重曹を少量溶かした水に浸けておくか、お鍋のお湯1リットルに対して小さじ1/2ほどの重曹を加えて茹でると劣化した枝豆の色が鮮やかになり、短い時間で柔らかく茹で上がります。どの方法もとても簡単なのでぜひ試してみてくださいね!
7.枝豆と相性の良い食材
ほうれん草、にんじんなどの緑黄色野菜
枝豆は緑黄色野菜に分類されますが、枝豆よりもさらに豊富にβカロテンを含んでいるほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜を一緒に食べると、体内でビタミンAが生成されて胃の粘膜の再生や抗酸化作用などの高い効果が期待できます。
きのこ類などビタミンDを豊富に含んでいるもの
枝豆にはビタミンDがほとんど含まれていないため、きのこ類などのビタミンDを豊富に含んでいるものを合わせて摂ることで栄養バランスが良くなります。ビタミンDにはカルシウムの吸収を促進して骨に沈着するのを促す働きがあるため、骨粗鬆症を防ぐ効果が期待できますよ。
牡蠣、アサリ、しじみなどの貝類
牡蠣やアサリ、しじみなどの貝類には肝機能を強化する作用を持つタウリンをはじめ、枝豆に不足している鉄分やビタミンB12を豊富に含んでいます。枝豆と合わせて摂ることで貧血の予防や肝機能を高め、アルコールの分解を助ける効果が期待できます。
マグロ、カツオ、レバー、うなぎなどのビタミンAを豊富に含んでいるもの
マグロやカツオ、レバーには枝豆に不足しているビタミンAが豊富に含まれています。さらに、鉄分、メチオニン、タウリン、ナイアシン、ビタミンB群が肝臓の働きを活性化させ、解毒作用を促してくれる効果が期待できます。さらに、ビタミンDやEPA、DHAなど枝豆には無い栄養素も多く含まれているため、皮膚や粘膜の保護、免疫力の向上などさまざまな健康効果があり、一緒に食べると枝豆に足りない栄養素をしっかりと補うことができますよ。
肉類、魚類、卵、大豆製品などのたんぱく質を豊富に含んでいるもの
肉類、魚類、卵、大豆製品などには良質なたんぱく質が豊富に含まれており、枝豆と一緒に食べることで肝臓の機能維持に役立ちます。
気をつけて!枝豆と相性の悪い食材とは?
牛乳やチーズなどの乳製品と枝豆は相性が悪く、一緒に食べると枝豆に含まれているフィチン酸が乳製品に含まれるカルシウムの吸収を阻害してしまうと言われています。
8.枝豆の豆知識
枝豆を食べ過ぎるとどうなる?1日の適量はどれくらい?
では、1日の適量はどれくらいで、枝豆を食べ過ぎるとどうなってしまうのでしょうか?枝豆の1日の適量に明確な規定はありませんが、食事バランスガイドの副菜の量を参考にして考えると1日で約70g(さや付きの場合140g)くらいを目安にすると良いでしょう。食べ過ぎの量の目安としては、1日で約400g(さや付きの場合800g)です。枝豆400gに含まれる食物繊維の量は成人の1日分の食物繊維の目標量に達してしまうため、他の食べ物から摂れる食物繊維と合わせると摂り過ぎてしまうことになります。
さらに、食物繊維を摂り過ぎることで他の栄養素の吸収を阻害することも。400gは市販の冷凍枝豆を約2袋分ですのでさすがにそんなに食べることはないと思いますが、お酒と一緒に楽しんでいるとついつい手が伸びてしまう…ということもありますので、一応覚えておくと良いですよ。摂取量は多少オーバーしても全く問題ありませんが、枝豆をおやつや晩酌で毎日食べる習慣があるという方は食べ過ぎには気をつけてくださいね。枝豆を極端に食べ過ぎた場合に考えられる不調として、食物繊維の摂取過多で消化不良を引き起こし、胃痛や吐き気、下痢、便秘などになる可能性があります。
また、カロリーの摂り過ぎで体重が増加することも。さらに、枝豆は塩茹でしたり塩をかけて食べることが多いので塩分を摂り過ぎてしまう恐れもあります。塩分を取り過ぎると高血圧や身体への負担が大きいため、こちらも注意が必要です。枝豆は健康にとても良い食材ですので、量に気を付けながら食べるようにしましょう。
捨てるのはもったいない!枝豆は皮にも栄養たっぷり♡
枝豆はダイエットにもおすすめの優秀食材!
ほど良い甘みと豆の風味が感じられて、大人から子どもまで幅広い世代から愛される枝豆。健康効果も高いので、食べ過ぎに気をつけながら楽しみましょう♡
最終更新日 2024年10月25日
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