数ある青菜の中のひとつ、チンゲン菜はラーメンのトッピングで添えられていたり、炒め物にしたり、中華料理によく使われているイメージがありますよね。1970年代頃に中国から伝わり、クセがなく他の食材との相性も良いので日本でもポピュラーに使われるようになった野菜です。あまり馴染みが無いかもしれませんが、漢字では「青梗菜」と表記されます。今回はチンゲン菜の栄養効果と豆知識、おすすめの食べ合わせなどをご紹介します☆
1.旬の時期
チンゲン菜は寒暖差に強く、生育が早い野菜です。水耕栽培などの施設栽培が普及したことによってスーパーなどの店頭でも一年中安定して見掛けますが、霜が降りると葉や茎に糖分を分泌することでチンゲン菜自身が凍結を防ごうとするため自然な甘みが増して美味しくなります。したがって、9〜1月頃の秋から冬の寒い季節がより美味しいチンゲン菜を楽しめる旬の時期といえます。短期間で収穫ができ、育てやすいので家庭菜園にもおすすめの野菜です。
2.栄養と効能
栄養
・ビタミンC
・ビタミンE
・ビタミンK
・ビタミンB1、B2
・カルシウム
・鉄分
・食物繊維
・ミネラル
・リン
・葉酸 など
効能
・免疫力や抵抗力の向上
・肌の調子を整える
・動脈硬化の予防
・がんの予防
・歯や骨を強くする
・高血圧予防
・貧血予防
・便秘予防
・アンチエイジング効果
・皮膚や喉などの粘膜を丈夫にする
・体内の余分なナトリウムを排出する
・疲労回復
・脳卒中の予防
・むくみ解消
・視力の維持
・コレステロール値の低下
・生活習慣病の予防
・胸やけ解消
・風邪の予防
・虚弱体質の改善
・消化を助ける
・血栓を防ぐ
・呼吸器系統を守る
・毛髪の健康維持
・コラーゲンの生成を助ける
・ストレス耐性アップ
・冷え性の改善 など
3.種類
チンゲン菜はアブラナ属アブラナ科に属する緑黄色野菜で、結球しない白菜の小型品種です。茎や軸の意味を持つ“梗”が青いので「青梗菜」と表されることもあります。梗が青いものがチンゲン菜、白いものがパクチョイといったように、梗の色で分類されます。
【チンゲン菜(青梗菜)】
☆主な品種…青美、冬賞味、醍醐味など
【パクチョイ】
【青菜花(チンツァイファー)】
【シャオパオ(ミニチンゲン菜)】
☆主な品種…コロポックル、ツィリンなど
4.食べ頃と見分け方
- 葉が柔らかく、幅が広いもの
- ツヤがあるもの
- 葉脈がハッキリしていて、みずみずしく傷が無いもの
- 鮮やかな緑色で、葉先が黄色く変色していないもの
- 茎に丸みがあり、肉厚なもの
- 葉と葉の間隔が詰まっていて、密集しているもの
- 切り口が乾いたり変色していないもの
- 茎が短くて幅広く、どっしりとしているもの
5.保存方法
チンゲン菜は乾燥に弱いため、保存するときは湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れてから冷蔵庫の野菜室に入れましょう。育った環境に近い状態の方が長持ちするため、なるべく立てて保存すると◎野菜の中では日持ちは良い方で5〜7日程度保存が可能ですが、水分が多いためしおれやすいです。なるべく新鮮なうちに食べましょう。しおれてしまった場合はチンゲン菜の根元を冷水に浸してしばらく置いておくと復活しますが、長時間浸すと水溶性の栄養素も流出してしまうのでなるべく短時間にしましょう。
チンゲン菜は冷凍保存することも可能です。生のままでも冷凍出来ますが、チンゲン菜の特徴であるシャキシャキとした食感が損なわれてしまうため、茹でてから冷凍するのがおすすめ。固めに茹でてから冷水に浸し、冷めたら水気を切ってから使いやすい大きさにカットして、小分けにしてからラップで包んでジップ付き保存袋に入れましょう。2週間から1ヶ月ほど保存出来ます。
6.切り方
チンゲン菜は根元に土がついたままになっているものも多いため、最初に根元に切れ目を入れてからよく洗って土を落としましょう。根元の部分(胚軸とも呼ばれます)には旨味が多く含まれているため、長く切り落とさないのがポイント。横にして数センチ幅で切っていくことが多いと思いますが、横に切るよりも縦に2〜4等分に切る方チンゲン菜の形が活かされ、料理が華やかに仕上がるのでおすすめです。
ざく切り
そぎ切り
7.加熱方法
チンゲン菜はシャキシャキとした歯応えが魅力のひとつです。加熱しすぎてしまうとせっかくの食感を損なってしまうため、炒める場合は高温&短時間でサッと調理しましょう。色味も鮮やかに仕上がりますよ♡厚みのある茎の部分の方が火が通りにくいため、茎を先に20秒ほど加熱した後で葉を加えると、全体的に均一に火が通ります。茹でる場合は茎と葉の部分の加熱時間に差をつけるのがポイントです。沸騰したお湯に塩を入れ、まずは根元と茎の部分を沈めて約1分茹でます。
その後に葉の部分まで入れて、軽く茹でればOK。なるべく早めにザルに上げて冷ましましょう。茹ですぎないことでビタミンCなどの水溶性の栄養素の損失を抑えることができ、シャキシャキとした食感もしっかりと残って美味しいです♪また、フライパンを使って少ない水で蒸し茹でする方法もあります。塩と油を少量加えるとツヤと風味、甘みが増すのでおすすめ。ぜひ試してみてくださいね!
電子レンジで調理する場合
8.相性の良い食材と効果的な食べ方
チンゲン菜はアクが少なく、下茹での必要が無いため手軽に使いやすい野菜。加熱してもあまりかさが減らず、煮崩れしにくいので煮込み料理にも向いています。また、味にクセがないので薄味・濃いめの味のどちらにも合う万能食材です。白菜と同じようにおひたし、炒め物、煮物、あんかけ、スープ、味噌汁、和え物、鍋物、サラダ、漬物など和洋中問わずさまざまな味付けの料理で使われています。シャキシャキした食感を存分に楽しめるように茎と葉を料理によって使い分けるのもおすすめ。チンゲン菜自体は淡白な味わいなので、エビやベーコンなど旨味が強い食材との相性もバッチリです。
相性の良い食材
油
チンゲン菜は数ある食材の中でも特に油との相性が抜群です。油で炒めたり、茹でるときに油を少量加えることで味が良くなるだけでなく色も鮮やかになります。さらに、βカロテンなどの脂溶性の栄養素が流れ出ることで栄養素の吸収率もアップ!オイルの入ったドレッシングなどをかけて食べるのもおすすめです。オリーブオイルでイタリアン風にするのも美味しいですよ♡
乳製品や小魚などのカルシウムを多く含んでいるもの
野菜に含まれているカルシウムは体内に吸収されにくいため、カルシウムを多く含んでいるものと一緒に食べるとチンゲン菜だけでは足りない分のカルシウムを補うことが出来ます。また、カルシウムの吸収を助ける働きを持つビタミンDや有機酸を多く含んでいる食材を合わせるとさらに吸収率がアップするのでおすすめ。ビタミンDは魚介類やキノコ類に特に豊富に含まれており、有機酸はレモンやお酢に含まれているため、どれもチンゲン菜とも合わせやすい食材でバリエーションの幅が広がりそうですね。
肉、魚、大豆製品などのタンパク質を多く含んでいるもの
チンゲン菜に含まれている“非ヘム鉄”という鉄分は体内に吸収されにくいのですが、肉や魚などのタンパク質を多く含んでいる食材と一緒に食べると吸収率がアップします。また、ビタミンCも鉄分の吸収を助ける働きがあるため、じゃがいもやブロッコリーなどと組み合わせるとさらに効果が高まります。
効果的な食べ方
①スープや味噌汁などの汁物にする
②生のまま食べる
9.チンゲン菜の豆知識
チンゲン菜の歴史
おもてなしにも!チンゲン菜しゅうまい♡
さまざまな料理に使いやすいチンゲン菜。栄養豊富なので積極的にメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか♡
最終更新日 2024年8月22日
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