幅広い世代から人気の高いガーデニング。彩り鮮やかでキレイなお庭は、ガーデニングをしている方にとって理想の光景とも言えるでしょう。しかし、ただお花を植えれば良いというわけではなく、雑草が生えたり隙間が開いてしまったり、お庭の管理はとても大変ですよね。緑で覆われたお庭作りには、手入れ不要の扱いやすいグランドカバーが便利です。今回は、雑草対策にもおすすめで管理も楽なグランドカバーについてご紹介します♪
1.グランドカバーってなに?
「グランドカバー」とはその名の通り、背丈が低く地面に這うような形で育つ植物を使って地面を覆うこと。足元に彩りを添えて緑の床を演出させる庭作りのひとつです。グランドカバーに使う植物はグランドカバープランツとも呼ばれ、花・ハーブ・多年草・芝生などさまざまな種類があります。植える種類によって香りや彩りを楽しんだり、お花の絨毯を作ったり、お好みの演出が可能です。お庭のスペースが広くても狭くても自分好みにアレンジして楽しめるので、やりがいや達成感もありますよ。
2.グランドカバーのメリット
雑草が生えにくくなり、お手入れが楽になる
暑さ対策、乾燥対策になる
泥がはねたり砂埃が飛ぶのを抑えられる
見栄えが良くなる
3.グランドカバーに使う植物の選び方
「雑草対策がしたい」→ほふく性の性質を持っていて生育旺盛な植物を選ぶ
「日当たりが悪い」→日光が少なくても育ちやすい植物を選ぶ
「早めに対処したい」「キレイを保ちたい」→成長スピードが早い植物や常緑性の植物を選ぶ
「人通りの多い場所に植えたい」→耐性の高い植物を選ぶ
さまざまな効果が期待できる植物を選ぶ
4.グランドカバーの植え方・作り方
グランドカバーを作る前にお庭の特徴や植えたい植物の特性を押さえておきましょう。植え付けたい場所の広さや、他の植物との兼ね合いも考慮することが大切です。植物は種類によって成長の仕方が大きく異なります。
- 縦にどんどん伸びるもの
- 横に広がっていくもの
- 一年中緑色が楽しめるもの
- 季節によって花が咲くもの
- 枯れている時期があるもの
- 一度植えたら数年楽しめるもの
- 一年で枯れてしまうもの
植物には本当にたくさんの種類があります。お庭全体の理想のバランスもイメージして、成長するスピードや繁殖方法など植物の特性もしっかりと考慮しながら選びましょう。
グランドカバーの作り方
①生えている雑草を抜き、石などを取り除く
②土に肥料や堆肥を撒いて混ぜる
③グランドカバープランツの苗を植える
④水をたっぷりあげる
⑤2週間ほど経ったら肥料を追加する
グランドカバーをせずにできるおすすめの雑草対策方法
防草シート→砂利を敷く
ウッドチップやバークチップなどで覆う
レンガなどの資材を敷く
5.グランドカバーのお手入れ方法
せっかくグランドカバーを作るなら、キレイな状態を長く保ちたいもの。好き放題伸び切ってしまったり、枯れてしまってはもったいないですよね。グランドカバーを少しでも長持ちさせるためのお手入れ方法を解説します。
水や肥料は適切なタイミングで与える
何日も雨が降らなかった場合だけ水をあげましょう。植物の種類によっては水をあげるタイミングを間違えると蒸れて枯れてしまうこともあり、夏の暑い時期には特に注意が必要です。朝方や夕方の涼しい時間帯に水やりをすると良いですよ。グランドカバーに使われる植物は繁殖力が強いものが多いため、基本的に肥料も必要ありません。しかし、刈り込みの後や寒い冬を越えたときなど植物が弱っているタイミングで肥料を与えると、生き生きとして新しい芽を芽吹かせてくれます。
定期的に刈り込みや剪定をする
6.おすすめのグランドカバープランツ
踏みつけに強く耐性があるタイプ
クラピア(岩垂草)
日本では歴史の長いイワダレソウの品種改良。白くて丸い可愛い花を咲かせるだけでなく、雑草の発生を抑制したり夏の暑い時期には地面の温度上昇を和らげるなどの効果が期待できます。成長スピードが早く、植えてからは特にこまめな手入れも不要で管理が楽なのもメリット。耐性が高く丈夫なので、踏まれても特にダメージを受ける心配もありません。葉っぱは柔らかいので、お子さんが素足で歩いたりしても安心なのも魅力。公園などの公共施設でも取り入れられることの多い品種です。冬の時期は休眠期に入るため、茶色くなります。
タマリュウ
常緑性で、一年中鮮やかな緑色が楽しめるのが特徴。グランドカバープランツの中では耐性が高めなので、踏まれてもダメージを受けにくい品種です。耐陰性も高く日陰でも育てることができるため、植える場所を選ばないのも使いやすいポイント。お手入れの手間も少なく育てやすいです。
ハイゴケ
和風の庭におすすめの品種。苔なので根は張らず、踏みつけにも強く耐性は高いです。多湿な環境の方が育ちやすいためしっかりと水やりが必要ですが、乾燥にも強いという特徴があります。しかし、地面に根付いていないため剥がれやすいというデメリットも。もしも剥がれた場合は元の場所に戻しておけばOKです。
ブラッククローバー(クロバツメグサ)
シロツメクサの変異種で、黒い葉っぱに緑色の縁取りが特徴の品種。シロツメクサと同じように繁殖力が強く、踏まれても枯れにくいです。ダークな色合いを生かし、お庭をシックに仕上げたい場合に活躍してくれますよ。葉が四つ葉なので縁起が良いとも言われています。
ヒメイワダレソウ
生命力が強く植えた後の手入れが不要で、踏まれても平気な耐性の高さが強みの品種。雑草の抑制効果や、カメムシの発生を抑えてくれる効果が期待できる優れものです。繁殖力が高いので、想像以上にどんどん生息範囲が広がってしまうこともありますが、グランドカバーに使いやすく人気です。
花を楽しめるタイプ
サギゴケ
「コケ」とついた名前からは想像がつかないほど可憐な花を咲かせる多年草の品種。地面に這うようにして広がり、春頃に白やピンク、紫色の花を咲かせます。乾燥に弱いため、日当たりの良い場所に植えて定期的に水やりをしてあげてくださいね。
ツルニチニチソウ
つる性で外壁や石垣などから垂らして成長させるのもおすすめの多年草の品種。白や黄色、青紫色、赤紫色のニチニチソウののような花を咲かせ、葉にはキレイな光沢があります。とても強い性質を持っていて、常緑樹や日の当たりにくい場所でのグランドカバーに用いられることが多いです。
タイリンウツボグサ
白やピンク、赤紫色の大きくて鮮やかな花が楽しめる品種。丈夫で育てやすいので、グランドカバーやお庭の彩りにも最適です。湿気に弱いため、日当たりが良く風が通りやすい場所におすすめ。
スーパーアリッサム
一年を通してキレイなお花の絨毯を楽しめる品種。生命力が強く、耐暑性や耐寒性に優れており、厳しい暑さや寒さの中でもしっかりとお花を咲かせます。背丈の高い植物と相性が良く、立体的なお庭や花壇の演出、花壇の縁取りにピッタリ。お花が咲いている期間が長いので、肥料をこまめにあげる必要があります。
リシマキア ヌンムラリア
水草としても親しまれているリシマキアの品種のひとつ。ほふく性で地面に這うように広がって育ち、湿気の多い場所を好むためジメジメしている庭でも育てやすいのが特徴です。5〜6月の初夏頃には鮮やかな黄色い花を咲かせ、寒い時期になると茶色く紅葉するので一年の中で違う雰囲気を楽しめますよ。グランドカバーで季節を感じたいという方におすすめです。
プラティア プベルラ(スターラベンダー)
5〜6月にラベンダー色や白い色の小さい星型の花が楽しめる多年草の品種。見た目の可愛さから女性を中心に人気です。高温の環境に弱いため、土がやや湿っていて風通しが良く、適度に日が当たる場所に植えるのがおすすめ。ゆっくり育つので、狭めのスペースやちょっとした隙間を埋めるのにピッタリです。
タピアン
白、紫、ピンクなどカラフルで存在感のあるお花を咲かせ、背が低いのでお庭をキレイな花のカーペットに仕上げられる品種。丈夫で病気や害虫被害にも強く、一度植えたら植えっぱなしでも問題ないため、手間があまり掛からないというメリットもあります。草が生えてきやすい場所に植えるのが特におすすめで、秋に植えると雑草よりも早く咲き広がって春の時期の雑草防止になるほど成長スピードが早いのもグランドカバーとしてピッタリの理由のひとつ。冬の時期は枯れたように茶色くなりますが、暖かくなってくるとまた花をつけ始めます。
イベリス センペルヴィレンス
アブラナ科の多年草の品種。春の時期に白くて小さい花をたくさん咲かせます。暑さや寒さに強く、割とほったらかしにしていてもOKな丈夫さもグランドカバーに向いているポイントです。
メカルドニア ゴールドダスト
耐暑性・耐雨性・耐病性・耐陰性に優れたとても丈夫な品種で、グランドカバーに最適。雑草よりも成長スピードが早く、雑草対策にも効果的です。小さくて温かみのある黄色い花が一年中咲き続け、緑色の葉とのコントラストが楽しめます。
日陰でも育ちやすいタイプ
ディコンドラ エメラルドフォールズ
湿度が高い場所や日があまり当たらない場所に植えるのにピッタリの品種。地面を這うようにして育ち、緑色の丸い葉をつけます。耐性はあまり高くないため、なるべく人が通らない場所に植えましょう。
セダム
北半球を中心とした世界各国に広く分布している多肉植物で、500種類以上もの品種があります。グランドカバーとして使える品種の他に、枝が垂れるタイプやぷっくりとした形が楽しめるものなど、同じセダムでも葉の大きさや形、花の色はさまざま。秋から冬の時期には紅葉も楽しめます。他のグランドカバープランツと比較するとゆっくりと育つため、複数の種類と合わせて植えるのもおすすめです。
アシュガ
暑さや寒さに強く丈夫で、日当たりが悪い場所でもどんどん育ちやすいシソ科の品種。地面を覆うように伸びて成長し、低い位置で葉が茂ります。成長スピードが早く、茎が広がりやすいため思っていた以上に地面が覆われてしまうことも。定期的に茎の伸び具合を調整するのがおすすめです。春になると白や紫色の小さい花をたくさん咲かせ、彩りが加わります。
香りを楽しめるハーブ系タイプ
ペニーロイヤルミント
根が放射線状に広がって育ち、6〜9月頃には小さな花を咲かせます。踏むと爽やかな香りを周辺に広げる品種です。ペニーロイヤルミントはミント系の品種の中でも生育は穏やかですが、強い繁殖力で他の植物を枯らしてしまうほどの強いパワーを持っています。
アップルミント
りんごのような爽やかな香りが魅力のミント系の品種。夏から秋にかけて白または薄いピンク色の花を咲かせます。近くの植物を枯らすほど繁殖力が高いため、植える場所に注意するか仕切りなどで区切るのがおすすめ。丈夫でグングン育つので人気があり、グランドカバーにピッタリです。
タイム
「コモンタイム」「クリーピングタイム」「ブーケガルニ」「シルバータイム」「レイタータイム」など、種類が豊富なシソ科のハーブ系品種。日当たり、水はけ、風通しの良い場所に最適で、植えた後は水やりや肥料を与える必要はありません。立ち上がるように30cm以上の高さを上に伸びていく立性のものと、地面に這って育つほふく性のものがあります。グランドカバープランツには、ほふく性のタイプを選びましょう。一般的にタイムと呼ばれているのは「コモンタイム」のことで、肉料理の臭み消しや防虫作用、サシェとしても活用されています。
ローズマリー
青や薄紫色の花が咲き、日向でも日陰でも育てやすいハーブ系の品種。鼻を抜ける爽やかな香りが特徴です。上に伸びていくタイプのもの、垂れ下がって育つタイプのもの、地面に這って広がるタイプのものがあります。グランドカバーとしてだけでなく、お肉や魚の臭み消しやサシェとして料理やインテリアでも活用できるのも魅力です。
初心者でも育てやすいタイプ
ワイヤープランツ
その名の通り細ながくて茶色い針金のような枝(茎)に光沢のある丸くて小さい葉がついているおしゃれな見た目が特徴。生命力が強く生育旺盛なので初心者でも育てやすい観葉植物のひとつで、鉢植えや寄せ植えなどでも人気です。春から夏にかけての時期には半透明の小さくて可愛い花が咲き、小さい鈴のような実をつけることも。人がよく通る場所でも枝の部分がとてもよく伸びるため、育て方次第でさまざまな形を楽しめますよ。寒さで葉が落ちてしまったとしても根の部分が生きていれば、冬を越えて春になり暖かくなった頃に新しい芽をまた出し始めます。
ベロニカ オックスフォードブルー
春頃に小さくて青い花をたくさん咲かせる宿根草の品種。繁殖力が強く、一度しっかりと根付けばその後はお手入れ不要で、初心者でも扱いやすいのが魅力。地面を這うように育つため、グランドカバーや花壇の前面に植えるのにピッタリです。
シバザクラ
暖かくなってくる春の時期に桜のような淡いピンク色の花を咲かせる北アメリカ東部原産の品種。他にも白や薄紫のパステルカラーなどさまざまな種類があります。茎が地面に這うように伸び広がり、高さはほんの10cm程度。あまり耐性はないため、踏まれると花や茎はダメージを受けてしまいます。日当たりが良く、人が通らないような場所に植えるのがおすすめ。シバザクラは湿気に弱いので、しっかり根付くまでは水をあげず、表面の土が乾いたら水やりをしましょう。初心者でも育てやすく、庭の隅のちょっとしたスペースやプランターで育てるのにもピッタリです。
スーパートレニア カタリーナ
耐暑性・耐雨性に優れた、ガーデニング初心者でも育てやすいおすすめの品種。雑草を生えさせないほどの繁殖力でぐんぐん育ちます。スミレのような形でピンクやブルーの優しい色合いの花を、春から晩秋にかけて長い期間楽しめます。枝が垂れるように広がるのが特徴です。
庭を覆う植物といえば芝生のイメージが強いですが、刈ったり管理が大変です。グランドカバーならこまめにお手入れする必要もなく、自分好みのお庭にアレンジ可能なので広さや環境に合わせて楽しみながら選んでみてください♡
最終更新日 2024年6月16日
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