鮮やかな濃い緑色が料理の彩りにもなるブロッコリー。一年中安定して購入でき、ほんのり感じる甘みや柔らかい食感が年代問わず人気の野菜です。サラダやシチュー、お弁当などさまざまな料理に使いやすくて万能なだけでなく、βカロテンやビタミンなどたくさんの種類の栄養素を豊富に含んでおり、栄養バランスもバッチリ!今回はたくさんある野菜の中でも「最強」と言われる理由や、ブロッコリーの栄養効果と豆知識をご紹介します。
1.旬の時期
ブロッコリーはアメリカなどからの輸入が多いほか、国内では地域ごとで収穫時期をずらして栽培されているため、一年を通して安定して流通している野菜です。初夏と冬の年に2回旬の時期を迎えますが、ブロッコリーは寒さに強く暑さに弱い野菜なので、11〜3月頃の冬の時期に収穫された、寒さに当たって甘みを閉じ込めたものが特に美味しいと言われています。また、冬に収穫されるものは害虫被害が少なく、低農薬または無農薬で栽培出来るのがメリット。味が良くて、農薬があまり使われていないというのは嬉しいですね。
2.栄養と効能
栄養
・ビタミンC
・クロム
・カリウム
・鉄
・カルシウム
・食物繊維
・葉酸
・ビタミンA
・ビタミンK
・ビタミンB
・ビタミンU
・スルフォラファン
・パントテン酸 など
効能
・抗酸化作用
・ピロリ菌を撃退する
・貧血の予防
・美肌効果
・老化防止
・免疫力アップ
・風邪の予防
・皮膚や粘膜を保護する
・眼精疲労の回復
・胃潰瘍の改善
・赤血球の形成を助ける
・便秘の予防、改善
・高血圧の予防
・疲労回復
・神経障害を抑制する
・骨粗鬆症の予防
・生活習慣病の予防
・解毒作用
・糖尿病の予防
・妊娠中の胎児の脳や神経の発育をサポートする など
3.種類
ブロッコリーは世界で90種類以上の品種が栽培されていると言われていますが、お店に並ぶときも品種名が細かく表示されないため、あまり知られていません。ブロッコリーは蕾の部分である“花蕾(からい)”を収穫する場所の違いによって品種が分類され、茎の頭にできた花蕾だけを収穫する「頂花蕾型(ちょうからいがた)」、側花蕾をメインに収穫する「側花蕾型(そくからいがた)」、枝分かれした先に出来た花蕾も収穫する「頂花蕾・側花蕾兼用型(ちょうからい・そくからいけんようがた)」などに分けられます。
主によく食べられているのは蕾の部分で、茎は食べられないと思っている方も意外と多く捨てられてしまいがちですが、実は茎には蕾の部分よりも栄養が豊富に含まれています。外側の厚い皮を剥けば、炒め物や汁物の具材などさまざまな調理法で美味しく食べられますよ♡茎の皮は茎を縦半分に切り、ラップで包んで電子レンジ(500W)で2分程度加熱するだけで、簡単に剥くことが出来ます♪
頂花蕾型
- 緑嶺
- 緑花野菜(みどりはなやさい)
- 芽花野菜(めはなやさい)
現在流通しているブロッコリーの中で最も多く出回っている品種。緑色で丸い形と、茎が太いのが特徴。頂部にある大きなつぼみの部分をメインに食べられています。
側花蕾型
茎ブロッコリー(スティックセニョール)
ブロッコリースプラウト
他にも
- 野崎早生
- ケロッコ
- ウィンタードーム
- スカーレットダンス
- スイートフラワー
- ロマネスコ
などのさまざまな掛け合わせの品種があります。
4.食べ頃と見分け方
見分けるポイント
- 花蕾の部分が固く引き締まっているもの
- 粒がしっかりと揃っているもの
- 小房同士が隙間なく詰まっているもの
- 鮮やかで濃い緑色のもの、または紫がかっているもの(日当たりが良い場所で、寒さの中で霜を受けたものの証拠。甘みが濃くて美味しいです)
- 茎の切り口が新しく、ツヤツヤとしていてみずみずしいもの
- 形が丸みを帯びていて、中央がこんもりと盛り上がっているドーム形のもの
避けた方が良いもの
- 花蕾の粒が大きくて粗いもの
- 張りがなく、触るとやわらかいもの
- 黄色く変色しているもの
- 茎にスや空洞ができているもの
- 外葉がしおれているもの
5.保存方法
ブロッコリーはあまり日持ちがせず、鮮度が落ちやすい野菜です。黄色く変色しやすいため、なるべく早めに食べ切るのがおすすめ。外葉を取り除き、軽く湿らせたキッチンペーパーに包んでからビニール袋に入れるかラップで包み、茎の部分を下にして冷蔵庫で保存しましょう。2〜3日以内に使い切るのがベストです。また、ブロッコリーはりんごやアボカドと同様にエチレンガスを多く排出する野菜なので、ビニール袋などに入れずにそのままおくと他の野菜や食材を劣化させる原因になります。
必ずビニール袋に入れるかラップに包み、なるべく傷みやすいものの近くに置かないように注意してくださいね。すぐに使い切れない場合は小房に分け、塩を入れて固めに茹でてから密閉容器に入れて保存するのがおすすめです。加熱した後の水分はしっかりと取りましょう。冷蔵保存で3〜4日保存出来ます。冷凍する場合はジップ付き保存袋に入れて冷凍庫へ入れておけば、1ヶ月ほど保存可能です。
6.切り方
ブロッコリーを普通に包丁などで切ると、花蕾の細かい粒がボロボロと落ちてきてしまいますよね。そこで、おすすめの切り方を2つご紹介します!
- 茎の部分に切り込みを入れて切り分ける方法
まずは太い茎の下側に十字になるように切り込みを入れます。茎の中間くらいまで刃を入れたら、あとは手で割いていくだけでOK。茎はお好みの長さでカットしましょう。 - 小房ごとに切り落としておく方法
花蕾の下あたりで茎を切り落とします。小房の茎を一つずつ切って、太い茎から外していけばOK。小房がボロボロにならず、太い茎は大きいまま残るのでさまざまな料理に活用できる切り方です。
7.加熱時間
ブロッコリーは加熱して食べるイメージが強いですが、実は茎の厚い皮を取り除けば全て生で食べることが出来ます。海外では生のままサラダなどに入れて食べることも珍しくありません。加熱しなくても食べられる野菜とはいえ、やっぱり食感や色合いが気になるので加熱したいという方が多いでしょう。ブロッコリーは火が通りやすいこともあり、柔らかくなりすぎるのを防ぐには長い時間茹でないのがポイント。水溶性ビタミンや栄養素の流出を極力抑えるためにも、電子レンジで加熱するか、蒸すのがおすすめです。味もグッと凝縮して美味しくなりますよ♡
茎に十字の切り込みを入れてから丸ごと茹でると風味が落ちないだけでなく、塩(お湯1リットルに対して小さじ1程度)を加えると色が鮮やかになります。また、ブロッコリーを茹でた後は、冷水に取るのはNG。必ずザルなどにあげて冷ましましょう。水っぽくなったり腐敗しやすくなるのを防げます。
たっぷりのお湯で茹でる場合
- 沸かしたお湯に塩を加え、ブロッコリーを入れる
- 固めなら1〜2分、柔らかめなら3〜4分程度茹でる
- ザルに上げて粗熱を取る
丸ごと蒸し茹での場合
- 茎を下に入れたブロッコリーが半分くらい浸かる量のお湯に塩をひとつまみ程度鍋に入れ、ブロッコリーを立てて入れる
- 鍋の蓋をして、3分ほど加熱する
- ザルに上げて粗熱を取る
小房にして蒸し茹での場合
- 鍋やフライパンに小房にしたブロッコリーを入れ、ブロッコリーが1/5程度が隠れるくらいの水と塩をひとつまみ程度加える
- 蓋をして中火で3〜4分ほど加熱して蒸し茹でにする
- ザルに上げて粗熱を取る
蒸し炒めの場合
- 火をかける前のフライパンや鍋にブロッコリーと塩をひとつまみ入れる
- オリーブオイル少量と水大さじ2程度を入れて蓋をする
- 強火で火にかけ、2分〜2分30秒ほど加熱する
- 火を止めたら余熱で蒸らす
電子レンジ加熱の場合
- 洗ったブロッコリーを水気を切らずに耐熱容器に乗せ、少し隙間を開ける感じでラップをふんわりとかける
- 電子レンジ(600W)で約2〜3分加熱する
※1株あたりの時間ですので、株数や大きさに応じて加熱時間を調節してください
8.相性の良い食材
油
トマト・なす・にんじん
ニンニク・玉ねぎ・酢
マグロ・いわし
あさり・レバー
9.ブロッコリーの豆知識
ブロッコリーとカリフラワーは仲間!?
ブロッコリー
カリフラワー
ブロッコリーが最強と言われる理由は?
意外と知らない!ブロッコリーの正しい洗い方
- 大きめのボウルに水を張り、ブロッコリーの軸を持って花蕾の部分を沈める
- 10〜20分程度浸けてから水の中で何度も振るようにして洗い、汚れを落とす
- キッチンペーパーで水気を拭き取る
※小房にしてから洗うと切り口から水溶性の栄養素が流れ出てしまうので、1株のまま洗いましょう
ブロッコリーが入るほどの大きさのボウルが無い場合は、ビニール袋にブロッコリーを入れてからブロッコリーが浸るくらいの水を入れて15〜20分程度浸け置きし、最後に袋を振ってからザーッと洗い流してもOKです◎
ブロッコリーは、主菜にも副菜にもサラダにもスープにもどんな料理にも取り入れやすいので、積極的に取り入れて毎日元気に過ごしたいですね♪
最終更新日 2024年8月22日
この記事へのコメントはありません。