昨今の健康ブームにコロナ禍も相まって、ダイエットをする人が増えています。中でも今話題のファスティング(断食)ダイエットはネットや雑誌などでも数多く取り上げられている健康法のひとつです。「痩せたい!」「体重を落としたい!」という思いだけで、ただひたすら食べ物を我慢するのは実はとても危険。今回はファスティング(断食)ダイエットがもたらす効果や基本のやり方などを詳しくご紹介します。
目次
1.「ファスティング」ってどんなもの?
「ファスティング」という言葉の由来は、英語のFast(断食する)という言葉からきています。宗教の行事や修行の一環で行われていたものがダイエットにも効果的であるとされ、注目されるようになったのがキッカケです。食べ物や飲み物など一切何も口にしない「絶食」とは異なり、「ファスティング(断食)」は固形物は食べられませんが水やドリンクなどを飲むことが可能で、完全に体内に何も取り入れないというわけではありません。ファスティングの期間中は食事の代わりに植物エキス発酵飲料(酵素ドリンク)を飲むことで身体に必要最低限の栄養と水分を摂取し、健康的な状態を保ちながら行います。
ファスティングには目的に応じて手軽に出来るものからストイックなものまで色々なやり方があります。一気に体重を落とすことだけが目的ではなく、日々の生活で体内に溜め込まれた有害物質を排出出来ると言われており、ダイエット目的の方はもちろん、体内環境を心身共にリセットしたい方、エイジングケア目的の方、健康目的の方、美容目的の方などにも多く取り入れられており、注目されるようになりました。
2.ファスティングの効果や目的
・体質の改善
・摂取量のリセット
・排出機能の向上
・デトックス効果
・便秘改善
・美肌効果
・血管の掃除
・活性酸素の除去
・消化器官を休める
・食生活の改善
・免疫力アップ
・高血圧の改善
・自律神経が整う
・老化防止
・心身のリフレッシュ効果
・ダイエット効果
・血管年齢の若返り
・身体の調子が整う など
ファスティングは健康的な面、美容的な面、精神的な面でさまざまな効果をもたらします。普段何気なく食べているものに含まれている有害物質が体内に蓄積していくと、代謝能力が低下したり、体調を崩しやすくなる、メンタルが安定しないなど負の連鎖を招くことも。ファスティングによって身体の内側でいろいろな変化が起こり、不要な物質を排出することで身体に起こるトラブルの解消が期待出来ますよ。
3.ファスティング期間の基本的な流れとやり方
①準備期間1日目
②準備期間2日目
③ファスティング1日目
④ファスティング2日目
⑤回復食期間
4.初心者におすすめ!短期間ファスティング
「いきなり数日間も続けるのはハードルが高くて不安…」という方や、初めてファスティングダイエットに挑戦しようと思っている初心者の方には、数時間〜1日で行う短期間ファスティングがおすすめです。3日以上のロングファスティングはリスクも大きいため、ファスティングに慣れている方や専門家のサポートの下で行うのが安心です。短期間ファスティングなら多少不安がある方でも気軽に挑戦できますし、たった1日でも少なからず効果を感じられますよ。何かとバタバタしてしまう平日は生活習慣や食生活も乱れがちなので、週末の期間を使ってトライしてみて下さいね!
短期間ファスティングの主な流れ
①準備食1日(前日の夕食)
ま‥豆類(豆腐などの大豆製品、小豆、黒豆、油揚げ、高野豆腐など)
ご‥ごま(いりごま、すりごまのほかにアーモンドや栗、ピーナッツなども含まれます)
は‥発酵食品(納豆、味噌、ぬか漬け、キムチなど)
や‥野菜(栄養価の高い緑黄色野菜を中心に)
さ‥魚(DHAやEPAなどの豊富な青魚がおすすめ)
し‥しいたけ(食物繊維が豊富で低カロリーなので他のきのこ類も◎)
い‥いも(じゃがいも、さつまいも、里芋、長芋など)
わ‥わかめ(乾燥わかめでもOK。ほかに昆布、ひじき、もずくなどの海藻類)
②断食1日
③回復食1日
もっと手軽に挑戦したい人向け!間欠的ファスティング
食べても良いからといって、何でもOKではないので注意してくださいね。間欠的ファスティングは短時間ですが基礎代謝のアップや腸内環境の改善、アンチエイジング、免疫力アップ、頭がスッキリ冴えて集中力が増す、消化でエネルギーを使わない、睡眠の質が向上する、ダイエット効果などたくさんのメリットが期待出来ます。水分は忘れずにしっかりと取りましょう。
20時に夕食を食べる→翌日の朝食を食べない→お昼12時に昼食を食べる
食べないのはツラい…という人にはさらに簡単な置き換えプチファスティング!
「もう少し頑張れる!」という人は、3食のうち2食を置き換えて1食を自由に食事が出来るやり方にすると、短期間でさらに効果が高まりますよ。2食を置き換える場合は毎日ではなく週に1〜2日程度で◎負担が少ないので取り組みやすいですね。
5.ファスティングを成功させるポイント
食べることが好きな人にとっては、ダイエットや健康のためとはいえ食事を制限されるのはツラいもの。ファスティングはネットの情報を鵜呑みにしたり、自己流のやり方をして挫折や失敗することも多いので注意しましょう。せっかくファスティングを行うのであれば、成功させるポイントや気をつけたいことをしっかり覚えておくと安心です★
①空腹を感じにくくする
また、普段の生活でも血糖値が安定すると気分の浮き沈みやイライラが軽減してメンタルが安定したり、ストレスによる過食を防げるといったメリットもありますよ。ファスティング開始から3日目あたりになると、本格的に脂肪の燃焼が始まります。体内では脳のエネルギー源となるケトン体が生成されており、脳は空腹をより感じにくい状態です。食べないことのツラさをあまり感じずに、残りの期間も楽に過ごせるようになりますよ。
②適度な運動で効果アップ!
③必要不可欠な栄養はしっかり摂る
④「何を食べるか」ではなく「何を食べないか」も大切
・砂糖、お菓子、スイーツ
・小麦製品(グルテン)
・乳製品(カゼイン)
・カフェイン
6.危険!ファスティングをおすすめできない人とは
ダイエットの一環や健康法としてブームになっているファスティングですが、全ての人の調子が良くなるとは限りません。無理してファスティングをすることで冷え性、便秘、貧血、筋力の低下、肌質悪化、集中力低下、眠気、だるさ、疲れやすくなるなどの不調を引き起こす恐れがあり、中には逆効果で体調を崩してしまう方もいますので特に注意が必要です。
・妊娠中や授乳中の人
・成長期のお子さん
・BMI値が18.5以下の人
・肝臓や腎臓が弱い人
・持病がある人
・カロリー不足の人
・痩せすぎている人(男性:40kg以下、女性:35kg以下)
・65歳以上の高齢者 など
ファスティングは腸内環境が悪い人や、女性よりもカロリーオーバーになりがちな男性の方がより効果を期待出来ます。
7.ファスティング期間のお酒はOK?
お酒が大好きで普段から飲まれている方には、食事と共にお酒も断たなければいけないのはツラいですよね。3日間何も食べないやり方や3日間指定されたドリンクのみを飲み続けるやり方などのロングファスティングの場合は控えるのが望ましいですが、数十時間から1日のみで短期間の手軽なファスティングであればお酒を飲んでも問題ありません。ただ、どんなお酒でもOKというわけではないので注意してくださいね。
OK‥ウイスキーや焼酎などの蒸留酒、辛口のワイン
NG‥ビール、日本酒、甘いカクテルなどの糖質が多く含まれているもの
8.ファスティングによって起こる体調不良について
ファスティング期間中や終了後に体調不良が起こることも珍しくありません。もし期間中に頭痛やめまい、吐き気、肌荒れなどが起こり、症状が酷くてツラい場合は一旦中止しましょう。「せっかく始めたんだから…」と無理をせずに、体調が戻ったらまた改めてチャレンジすることも大切です。また、ファスティング期間中だけでなく、終了した後にも同じような症状が現れることがあります。
終了後に起こる体調不良は特に弱っているところに症状が出やすいのが特徴で、好転反応(身体が正常な状態に戻ろうとしているときに、一時的に症状が悪化したような状態)の可能性が高いです。好転反応が現れるのは溜まった有害物質が排出されたり、血液やリンパの流れが活発になっている証拠でもあります。好転反応であれば1日から数日で治まることが多く、それ以上長引く場合は別の原因が考えられますので体調の変化に留意してくださいね。
正しく行えばさまざまな効果が期待できるファスティング(断食)ダイエット。メリットやデメリットをよく理解し、ダイエット効果だけではなく健康面や美容面も気にしながら挑戦してみてくださいね。
最終更新日 2024年6月12日
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