古くから食べられていて日本の食卓に馴染み深いわかめは、低カロリーで栄養たっぷり。「海の野菜」とも呼ばれ、ダイエットにもおすすめの海藻です。味噌汁、サラダ、酢の物、ご飯に混ぜ込む具材などさまざまな料理にアレンジしやすく、給食などにもよく使われるので子どもにも積極的に食べさせたい食材のひとつですが、実は食べ過ぎはよくないとも言われています。今回はわかめの栄養効果と豆知識をご紹介します。
1.旬の時期
わかめは宮城県、岩手県、徳島県をメインに全国各地で養殖されており、11月頃に発芽したものが3〜5月頃の春から初夏にかけて南方の暖かい地方から順に収穫されます。新鮮さが大切な生わかめは若いほど味が良く、収穫直後の春が一番美味しい時期です。わかめは成長がとても早く、1年で2メートルほどの長さになります。現在市場に出回っているわかめのほとんど(約97%)が養殖のものですが、天然物のわかめは脂のりが良く、養殖のものでは味わえない香りも楽しめるそうです。
2.栄養と効能
栄養
・アルギン酸
・フコイダン
・フコキサンチン
・ミネラル
・ヨウ素(ヨード)
・βカロテン
・カルシウム
・鉄分
・ナイアシン
・ビタミンA
・ビタミンB1、B2
・ビタミンC
・ビタミンK
・マグネシウム
・カリウム
・亜鉛
・リン など
効能
・疲れにくい体にする
・血液をきれいにする
・動脈硬化の予防
・心筋梗塞の予防
・高血圧の予防
・生活習慣病の予防
・脂肪燃焼効果
・新陳代謝の向上
・髪や肌の健康維持
・ダイエット効果
・育毛効果
・アンチエイジング
・美白効果
・眼精疲労の予防
・女性特有の症状の緩和
・口腔内の炎症の緩和
・甲状腺ホルモンの働きを正常にする
・歯や骨を強くする
・抗酸化作用
・糖の吸収を緩やかにする
・腸内環境の改善
・胃の粘膜の保護
・骨粗鬆症の予防
・糖尿病の予防
・体内の余分な塩分を排出する
・便秘予防
・イライラの緩和
・風邪の予防
・がんの予防
・肝機能の向上
・抗アレルギー作用
・消化効果を促進する
・免疫力アップ
・肥満の予防 など
3.種類
わかめは長い一本の状態から雌株(めかぶ)・元葉・葉体・中芯に分けられ、一般的に「わかめ」と呼ばれて食されているのは葉体の部分です。全ての部分を食べることができ、それぞれの部分で違った食感や調理法が楽しめます。
わかめの部位
- 雌株(めかぶ)
わかめの根元の部分で、食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。ヌルヌルとした粘り気と歯応えの良さが特徴で、酢漬けなどに加工されたり、刻んでご飯に乗せ醤油を垂らして食べると美味しいです。 - 元葉
わかめの下の方にある成長途中の部分で、葉体に比べると長さは短いですが、葉肉が厚いのが特徴。シャキシャキとした食感です。 - 葉体
お味噌汁やサラダ、酢の物など幅広い用途で食べられている部分です。柔らかくて食べやすく、色々なアレンジがしやすいのが特徴。 - 中芯
わかめの茎の部分で、コリコリとした食感が特徴。「茎わかめ」とも呼ばれ、炒め物、煮物、酢漬けなどにピッタリです。細くスライスしてサラダに入れても美味しく食べられます。
わかめは「ワカメ形」と「ナンブワカメ形」に分類されていますが、形が多少異なる程度でそれぞれの分布にこれといった区分が無く、栽培されている産地ごとの名前が付けられている種類や、加工方法によって種類が分けられることが多いです。
産地ごとの種類
三陸わかめ
鳴門わかめ
加工方法ごとの種類
生わかめ
湯通し塩蔵わかめ
カットわかめ
素干しわかめ
灰干しわかめ
板わかめ
糸わかめ
乾燥わかめ
その他の種類
子持ちわかめ
早採りわかめ
4.食べ頃と見分け方
見分けるポイント
湯通し塩蔵わかめ
- 黒緑色で全体的にツヤがあるもの
- 厚みと弾力性があるもの
- 塩があまり多くまぶされすぎていないもの
- 色付きの袋に入っているもの(日焼けによる変色を防ぐため)
乾燥わかめ
- 黒褐色で厚みがしっかりしているもの
5.保存方法
生わかめ
湯通し塩蔵わかめ
6.切り方
わかめはそのままだと長くていびつな形です。まずは中央にある硬くて太い茎の部分を取り除きましょう。旬の時期の生わかめは茎も比較的柔らかいので、そのまま使ってもOKです。茎を取り除いたら切り離した葉の部分を畳んで長さを揃えて重ね、端から食べやすい幅で切っていきます。
多少手間かもしれませんが、同じ大きさできちんと揃えて切ることで口当たりや食感が良くなりますよ♡
7.加熱時間
わかめは熱に弱いので、せっかくの色合いや食感を損なわないためにも加熱しすぎないのがポイントです。また、わかめの独特の食感であるぬめりの原因になる栄養素(アルギン酸カリウム)には身体に良い成分が含まれているので、ぬめりを落としすぎてしまうと栄養も一緒に損なわれてしまうので注意しましょう。水洗いするときは軽く洗う程度にして、茹でるときは鍋に入れてサッと一煮立てする程度でOK。煮物の場合は火を止めてから冷めていくうちに、じっくりと味が染み込みますよ。
わかめは加熱すると色が変わるのはなぜ?
わかめを柔らかい食感にする方法
8.わかめの上手な下処理方法
わかめは水での戻し具合や下処理方法で食感が変わるので、とても重要な工程です。手間かもしれませんが、せっかくなら美味しいわかめを楽しみましょう♡
乾燥わかめ
調理する場合はたっぷりの量の水に10分ほど浸け、水で戻します。10倍以上の量に膨らむので分量に注意しましょう(2人分ならひとつまみ程度)。長時間水に浸けてしまうと食感を損なってしまいますので、水気が多い料理に使用する場合は戻し時間を半分くらいにしておくと、ほどよく水分を吸収してくれるのでおすすめです。また、水で戻したわかめは一度ザルにあげて、しっかりと水分を取りましょう!水っぽくなったり、ベタベタとした仕上がりになるのを防げます。油で炒める場合はキッチンペーパーなどに挟んで軽く押さえるとわかめの風味が閉じ込められ、優しい口当たりに仕上がりますよ。汁物などに入れるときはそのまま使えるので、戻す必要はありません。
湯通し塩蔵わかめ
たっぷり溜めた水の中でしっかりとふり洗いをし、塩を落としましょう。一度水を替えてから、再度5分ほど浸けて塩抜きしてから使います。あまり長時間水に浸け過ぎると食感を損なってしまうので注意してくださいね。水から出したら両手でギュッと握るようにして水気を絞り、カットすればOKです。
水で戻す方法以外にも、熱湯にくぐらせる方法もあります。沸騰したお湯にわかめを手早くサッとくぐらせるだけでOK。すぐに冷水に入れ、冷えたら水分をしっかりと切ります。鮮やかな緑色になり、わかめ独特の食感も保つことができますよ。
9.相性の良い食材
油
わかめになどの海藻に豊富に含まれているヨウ素(ヨード)は油との相性が良いため、油で炒めたり油揚げと一緒に調理すると効率的に摂ることができます。
酢
わかめに含まれている食物繊維と酢が合わさると、酢の効果で食物繊維が柔らかくなりフコイダンなどの栄養素が体内に吸収されやすくなります。
ほうれん草、枝豆、じゃがいもなどカリウムを豊富に含んでいるもの
わかめに含まれている水溶性食物繊維のアルギン酸には、体内の水分量を調節したり余分なナトリウムを排出する効果があります。また、カリウムにもアルギン酸と同様の効果があるため、カリウムを多く含んでいるものとわかめを一緒に食べると相乗効果でよりナトリウムの排出を促進し、高血圧の予防や改善が期待できます。
イカ、えび、たこなどのタウリンを豊富に含んでいるもの
わかめには高血圧の予防効果が期待できますが、イカやえびなどに含まれているアミノ酸の一種であるタウリンにも交感神経を抑制して血圧を正常に保つ働きがあります。わかめと一緒にタウリンが豊富に含まれているものを食べると、相乗効果で効果的に血圧を安定して保つ働きが期待できますよ。
玉ねぎ、人参、マグロ、ねぎ
コレステロール値の低下が期待できます。
きゅうり、レタス、瓜
むくみの解消や腎機能の改善が期待できます。
トマト、りんご、レモン、セロリ
痛風の予防や改善が期待できます。
キムチ
腸内環境を整える効果の効率アップが期待できます。
10.わかめの豆知識
①わかめを食べ過ぎると良くないと言われる理由
②5月5日はわかめの日!
わかめは和洋中どんなジャンルの料理にも使いやすい万能食材です。さまざまなアレンジで楽しんでみてくださいね♪
最終更新日 2024年9月22日
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