子どもが空手を習うには?幼児・小学生の空手教室の選び方

2020年の東京オリンピックで初めて正式種目となり脚光を浴びた空手。体幹が鍛えられたり、礼儀が身につくので子どもに習わせたいなと感じた方もみえるでしょう。ただ、女の子でもできるかな、向き不向きもあるのかなと気になる点もあるかもしれません。習うにも型を学ぶところと実際に組手を行うところとあるので選び方も迷いがち。今回は、幼児・小学生の空手教室の選び方をまとめてみました。

1.空手とは?

空手とは?

空手は、琉球王国、現在の沖縄県で15世紀の室町時代にうまれた武術が起源です。現在、空手愛好者の人口は1憶三千万人以上いると言われ、世界的なスポーツに発展しました。空手には大きく分けて、「寸止め空手」「フルコンタクト空手」の2種類があります。「寸止め空手」は、伝統空手、伝統派空手なども呼ばれます。相手との「組み手」において、ノンコンタクト、つまり直接打撃をしません。オリンピックで採用され、学校の課外授業で行われているのも「寸止め空手」になります。

寸止め空手には4大流派があり、流派名は「和道流(わどうりゅう)」「剛柔流(ごうじゅうりゅう)」「糸東流(しとうりゅう)」「松涛館流(しょうとうかんりゅう)」です。「フルコンタクト空手」とは、「組み手」で直接相手に打撃を与える空手です。相手に接触をして突きや蹴りなどを当て対戦を行います。フルコンタクト空手の流派には、「極真会館(きょくしんかいかん)」「士道館(しどうかん)」「正道会館(せいどうかいかん)」「芦原会館(あしはらかいかん)」といった流派があります。

稽古内容

どちらもまずは、空手衣の着方や帯の結び方からはじまり、座る・立つなどの所作を覚えます。それから「基本」「型」「組み手」の練習を行います。特に「基本」と「型」に時間を掛ける教室が多いです。「基本」では型に必要な「足さばき、突き、蹴り」などの基礎的な動作を繰り返し行い、それを組み合わせ「型」を習得していきます。「組み手」は相手と組みあって攻撃を行う実戦になります。組み手は教室によりフルコンタクトか寸止めどちらかで行います。練習のほかに、流派や教室によりますが、級位や段位の取得制度や大会出場制度があり、子どもたちはそれを目標に日々の稽古に励みます。

2.メリットとデメリット

①メリット

  • 全身の筋肉が鍛えられる
    空手は全身の筋肉を使う武術です。特に利き手・利き足に頼る他のスポーツと違い、両手・両足を均等に使うことから、身体のバランスを保つ体幹が鍛えられ、姿勢が良くなります。体幹が鍛えられるということは、基礎代謝も向上するので、健康的な身体を作ることが期待できます。また、空手は練習は一緒でも個々に鍛え習得していくものなので、性別の差はありません。身体を鍛えたい女の子にもおすすめの競技です。
  • 精神面が鍛えられる
    空手では同じ動作を何度も繰り返し、型を習得していきます。複雑な動きの型を覚え、動作には手足の先まで集中力を要します。また組み手の練習では相手の動作をしっかり見なければなりません。そのためどちらの練習においても集中力の向上が期待できます。また、相手に勝ちたい、強くなりたい気持ちが芽生え、精神的にも強くなれるでしょう。またフルコンタクト空手の場合、組手で痛い思いをすることが多々あります。小さなお子さんだと泣いてしまうことも多いでしょう。ただ繰り返していくうちに、すぐにへこたれない、泣いてもすぐに立ち上がる強さも身に付きます。
  • 礼儀作法が身につく
    空手は「礼に始まり礼に終わる」、礼儀作法を重んじる武道です。入室から、始まりと終わりの挨拶、正座の仕方、返事の仕方など、細かく指導をされます。空手を通して、礼儀正しくハキハキと受け答えできる子どもになることが期待できます。

②デメリット

  • 怪我をする恐れがある
    武道である空手に怪我は付きものです。特に接触型のフルコンタクトでは怪我のリスクは格段と上がります。怪我を少なくするためにも、練習で受け身やさばき、組み手をしっかり訓練する必要があります。また、同時に自分の子が相手に怪我をさせる恐れもあるので、怪我については空手のデメリットと言えるでしょう。
  • 費用がかかる
    空手の月謝は他のスポーツと比べ、それほど高くありません。ただ道着などを購入する点で初期費用が高くなります。フルコンタクトの場合、怪我を防ぐためのサポーターなども必要となってきます。身体に身に着けるものですので、お子さんの成長につれ買い替えの必要もあります。また、昇級審査や試合に出場する場合は都度費用がかかります。
  • 対戦を怖がる子もいる
    寸止めの空手にしても、組手では人を相手に攻撃を仕掛けます。おとなしい子や温厚な性格の子は、それを嫌がったり怖がったりする子がいるかもしれません。また、師範の指導を厳しいと受け取るお子さんもいるでしょう。慣れも必要でしょうが、しばらく通ってもあまりに嫌がるようなら空手は向いていない可能性も考えられますね。

3.いつから始める?

5歳頃から

空手を始めるのに適した時期は、師範や指導する先生の言っていることがきちんと理解できる5歳頃からが良いと言われます。練習は仲間と一緒に行うので、集団活動ができるようになる年頃としても適しているでしょう。

3歳頃から

早い子ですと、3歳頃から始めるお子さんもあります。空手は先生や相手の動きを見て真似て、学ぶ習得法ですので、人を真似ることが得意な2~3歳頃でもできるという考えもあり、早いうちから礼儀作法を身につけさせるという点でも良いかもしれません。空手は大人になってから習い始める人も多いスポーツです。年齢に関係なく、やりたいなと思ったときが一番の始め時と言えるでしょう。

4.月謝の相場

月謝

¥3,000~¥5,000
週に1回、1時間半から2時間程度のスケジュールを目安とし、上記の金額が相場となります。道場を持っている教室より学校の体育館や公民館などを借りて行われる空手教室の方が比較的安めの傾向があります。上達して選手クラスになってくると、通う回数が増えたり、月謝も高くなります。

入会費

¥5,000~¥10,000
教室によっては入会金が必要なところがあります。施設費や運営費、団体登録料などに使われます。

スポーツ保険

¥1,000程度/年

そのほかに年会費(¥5,000~¥10,000)や級位・段位取得の検定試験や大会に参加する場合、参加費用がその都度必要になってきます。

5.必要なもの

空手衣(道着)・帯

空手衣(道着)・帯
空手衣(道着)・帯
  • 参考価格¥10,000~¥12,000

空手衣は教室を通して購入する場合が多いです。その際ネーム入れ(刺繍)をすることがあり、費用は\10,000程度です。道着は大きめを購入し、裾を折るか、縫い上げて着用します。帯は白帯からはじまり、段位や級位の取得により色が変わり、買い替えをしていきます。帯の色の段階は教室や流派により異なり、検定合格後教室を通して購入することがほとんどです。

防具(サポーター)

空手 拳サポーター
空手 拳サポーター
  • 参考価格¥2,000~¥3,000

空手 レッグサポーター(すねあて)
空手 レッグサポーター(すねあて)
  • 参考価格¥2,000~¥3,000
 

空手 ヘッドガード
空手 ヘッドガード
  • 参考価格¥10,000程度
 

空手は素手、素足で行うのが基本ですが、怪我を防ぐために防具が不可欠です。拳サポーターは寸止め、フルコンタクトどちらも、それ以外はフルコンタクトで主に必要となります。こちらも基本的には教室を通して指定品を購入します。

6.どこに通う?選び方のポイント

寸止めかフルコンタクトか

空手教室選びで一番重要となってくるのは、「寸止め」か「フルコンタクト」、どちらのスタイルを選ぶかということでしょう。メリットの項目で上げた、運動能力の向上はどちらも優越なく期待できます。よく言われるのは、形の美しさを極めたいのであれば寸止め、実践で護身術も身につけたいのであればフルコンタクトを選択するのが良いでしょう。フルコンタクトの場合、怪我の恐れが増えることも考慮しましょう。

青あざができたり、長年続けると指の関節の黒ずみが出てくることもあり、女の子は気になるかもしれません。またさらに空手には複数の流派があります。流派により型のかたちが変わってくるので、型を極めたい人は、流派ごとの型の違いまで調べると良いでしょう。型の違いは各流派が開設しているホームページやYoutubeなどで確認できます。

教室の雰囲気

空手は年齢を超えて、複数人の生徒が一緒に稽古を行い先生の指導を受けます。そのため、教室の雰囲気がお子さんに合うかどうかも教室選びのポイントとなってきます。教室の雰囲気は先生の人柄や指導力に左右されます。礼儀を重んじる空手では、時に先生の厳しい指導もあるでしょう。この先生なら信頼できる、子どもを任せたいと思えるかどうか見極めることが大切です。そのためには体験教室に参加し実際に練習を見て、先生と直接お話しできると良いですね。

7.親の負担は?

子どもへのフォロー

前述したように空手では時に痛い思いをすることがあるかもしれません。お子さんによっては、それがトラウマになることも・・・。そんな時にお子さんの気持ちに寄り添って根気よく励ましていく必要があります。どんなスポーツにはケガは付きものですが、特にフルコンタクトでは、お子さんが怪我をした時に病院に通う必要も出てくるかもしれません。

空手をすることで暴力的になる?

空手を始める上で「手が出やすくなるのでは?」と不安に思う親さんもみえるかと思います。ですが空手をするしないに限らず、特に小さな男の子の場合はケンカの時に手が出てしまうことも少なくないでしょう。フルコンタクトでは、殴られたり蹴られたりする痛みを身をもって痛感するため、他人よりも痛みが分かるようになります。礼儀についてもしっかりと先生から指導されます。ですから「空手をする=暴力的になる」わけではありません。

空手をするしないに限らず、常日頃から「人に手を出してはいけない」と指導されている親さんも多いと思います。ただ空手をすることで周りと比べパンチやキックの勢いは強くなりますから、空手を習う前に再度「絶対に空手の時以外は手を出さない」と約束しておくことも大切かと思います。お友達には手を出さない子でも兄弟間では気が緩んでしまうこともおると思いますので、そこは注意したいですね。

8.こんな子にオススメ!

  • 自信をつけたい
    基本練習の前の体力トレーニングや筋トレに始まり、空手の稽古は予想以上にハードです。また、段位取得の検定や、試合・大会での対戦は子どもでも緊張感やプレッシャーを受けます。日々の練習や大会出場を積み重ね、子どもは自信をつけていくでしょう。学校でいじめられっこだった子が空手を習い始めていじめに負けない心を持てたという話も聞きます。自信を育てるのに空手はおすすめの習い事と言えますね。
  • 強くなりたい
    強いとは精神面、肉体面、両方の強さです。稽古による身体的強さの向上はもちろん、精神面でも集中力を鍛えられるなど、成長が期待できます。また、空手で強くなるということは、相手の痛みを知り、周りの人に優しさを持つことができることと言われます。暴力的にならないか心配しがちですが、空手は強さと優しさを教えてくれるのです。
  • 礼儀作法を身につけたい
    礼儀作法に重んじる空手。きちんと挨拶や礼ができないとやり直しをさせる師範も少なくありません。毎回の習慣として身についてくので、空手以外の場でも自然と挨拶ができる子になっていきます。最初は落ち着きがなく、きちんと正座できない子でも、場の雰囲気を察知して、周りにあわせて節度ある行動がとれるようになります。静と動が身に付きます。

性別を問わず、心身が鍛えられる空手はお子さんの社会生活に向けてもとってもいい経験となることでしょう。お子さんにぴったりの教室が見つかるとよいですね。

投稿者プロフィール

Yukari
Yukari
物心ついた頃からお菓子作りやハンドメイドにはまり、
暇を見つけては手を動かして、自己満足でお家時間を満喫しています。
毎日の暮らしをちょっとおしゃれに、楽しく、無理しない♪がモットー。
中学生と小学生、一男一女の母。
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