野球を習うには少年野球?幼児・小学生の野球教室(スクール)の選び方

子どもの習い事として昔から定着している野球。最近ではアメリカのメジャーリーグで大きな活躍を遂げる日本人選手も増えているので、そんな姿に憧れて「野球がやりたい」と言う子もいるでしょう。でも野球を習うにはどうしたらいいのでしょうか?少年野球?スポ少?他の習い事と比べると情報も流通しておらず、探しにくく感じるかもしれません。そこで今回は、幼児・小学生向けの野球教室(スクール)の選び方をまとめてみました。

1.野球の習い事とは?

①少年野球の基本

子どもの行う野球は「軟式野球」と「硬式野球」の2種類がありますが、軟式野球は日本独自の野球だということはご存じでしたか?軟式野球は成長段階にある子どものために考えられ、身体への負担を軽くするために柔らかいゴム製のボールを使用します。一方、硬式野球は大人と同様の革製のボールを使用します。ルールはほぼ変わりません。

軟式野球と硬式野球の違い

軟式野球と硬式野球の違いはボールにあります。軟式ボールはゴム製で空洞、重さは約130gです。硬式ボールは牛革製で芯はコルク、赤い糸で縫い合わされており、145gほどです。軟式ボールは柔らかく軽い、硬式ボールは硬く重いという特徴があります。それにより、下記のような点が異なってきます。

  • 打球
    軟式ボールはバットに反発力が吸収され、打球が飛びづらくなります。ボールを潰さず運ぶように打つことがポイントとなります。打たれた球は良く跳ねるので、バウンドを合わせるのが難しい打球となります。バットに強く反発する硬式ボールは、バットの芯で捉え打つことで飛距離とスピードのある打球となります。打たれた球は跳ねづらいのが特徴で、野手は腰を低くして受け止めることとなります。
  • 投球
    軟式ボールはボールを潰さず押し出すように投げる一方、硬式ボールは回転数を上げてボールの伸びを上げるために、指でボールを潰す感覚で投げることがポイントとなります。また硬式ボールは投げるときに肩の力が必要となってきます。
  • 道具
    バット…軟式用バットはゴムやカーボン素材が、硬式用のバットは金属製が主流となっています。
    グローブ…軟式用グローブは柔らかめで子どもでも扱いやすいですが、硬式グローブはボールを捕った時に痛くないように固く出来ています。

このように、ボールの違いでプレースタイルや体の使い方、道具にも違いが現れます。

練習内容

チームであれば、どこのチームも日々の練習は準備運動、走り込み、バント・守備・ノック・バッティングの練習、試合形式の練習が中心であることは変わりありません。子どもの体力づくりを目的の一つにしているところが多く、そこではランニングやダッシュに重点を置いたメニューが構成されます。練習に加え、他チームとの交流試合や練習試合、公式大会などにも参加し、個々の技術の向上やチームの躍進を目指します。

②野球の習えるところ

野球を習うには、チームに所属したり、スクールに通う方法があり、大きく分けると次の3つになります。

スポーツ少年団

野球の習い事としては一番身近な団体であるでしょう。コーチは地元の野球経験者が、メンバーも地元の子が多いので、お子さんも気軽に参加できることが良い点です。練習場所も近くになるので、親も子も通いやすいでしょう。スポーツ少年団では軟式野球を行い、小学校卒業とともに「卒団」するのが一般的です。交流試合や公式戦への参加も積極的に行い、練習日程も多くなります。

野球スクール

主に民間団体が運営しています。個々の技術向上のみを目的としているところや、チームを組んでいるところなど形式は様々です。プロ野球チームが協賛し、元プロ野球選手が技術指導をしてくれるスクールもあります。なかには希望する日のみ気軽に行けるスクールもあり、技術向上のために今所属しているチームと掛け持ちして通うことも可能です。チームを組んで行っているところもありますが、試合への参加はそれほど多くなく、親の負担も送迎のみで済むところが大半です。軟式か硬式かどちらを行うかはスクールにより異なります。

リトルリーグ、シニアリーグ

硬式野球を行います。基本的にはリトルリーグが小学生対象、シニアリーグが中学生対象となっています。地域によってはボーイズリーグと呼ばれる部類もあり、こちらは、離塁や振り逃げに制限のルールがあります。どのチームも試合に勝つこと、もっと言えば日本一になることを目的にしているところが大半で、練習内容やスケジュールも厳しいところが多いです。遠方での試合も頻回にあるでしょう。

子どものうちから硬式野球を行う良い点は、いずれ高校生や大人になれば、野球は硬式野球が主流になります。硬式野球と軟式野球ではフォームなどが替わってくるので、ずっと野球をやりたい、プロ選手を目指したいと目標を持っているお子さんには、最初から硬式野球を選択するのが近道かと思われます。

2.メリットとデメリット

野球を習うことのメリット

  • 礼儀や協調性が身につく
    日本で歴史の深いスポーツである野球は、礼儀に厳しいスポーツでもあります。コーチや保護者、チームメイトへのあいさつに始まり、試合では相手チームへの礼儀など、集団行動や社会での礼儀が小さいうちから身につきます。また、野球は団体で行うスポーツです。特に野球は、仲間を塁に出すために自分の打順を犠牲にしてフライや送りバントを打つこともあります。守備での連携も仲間との協力なくしては成り立ちません。そういった協調性が自然と育っていきます。
  • 責任感が生まれる
    ピッチャー、キャッチャー、ファーストなどポジションごとに役割のはっきりしている野球は、そのポジションへの責任を一人で担うことになります。打席にもその時々の役割があり、自分が頑張らなければならないという使命感がうまれ、チームに貢献できた時には自身への達成感に繋がるでしょう。
  • 個性が伸ばせる
    野球は各ポジションごとに役割があります。ショートなら動きの俊敏性や視野の広さが必要であるように、ポジションごとにその特徴も違うので、「足が速い」「俊敏性がある」「打率が良い」など個性が反映されたポジションを与えられます。そのためお子さんの良いところ、得意なところを伸ばすことができます。
  • 基礎体力がつく
    試合の走塁や守備のダッシュのために、練習での走り込みはメニューのルーティンとなっています。また、ヒットやホームランを打つための素振りの練習も、重いバットを振り続けることにより腕力や体幹が鍛えられます。外で遊ぶ機会が減っているいま、練習の積み重ねにより確実に体力がついていくことは親としてもうれしいことですね。

野球を習うことのデメリット

  • 親のサポートが必要
    団体スポーツの習い事に共通して言えることですが、当番や試合の付き添いなど親のサポートはつきものです。詳しくは、別の項目でご説明します。
  • 洗濯が大変
    野球はグランドで行うスポーツですから、ユニフォームや練習着の泥汚れは付き物です。洗濯機では落ちにくい泥汚れは手洗いをしなければなりません。試合が連日続く時には、その日のうちにユニフォームの洗濯をする必要が出てきます。
  • 遠征や合宿がある
    所属するチームにもよりますが、遠方での試合に頻回に参加したり、合宿を行うチームもあります。そうなると親への時間的、経済的負担はもちろん、子どもにとっても余裕のない生活を送ることになります。学校の宿題がやれるか、心身ともに負担はないか、スケジュールの確認とともに親子で話し合いましょう。また試合は週末一日がかりとなることが多く、家族揃ってのお出かけも難しくなってきます。
  • 道具の購入費用がかさむ
    他の習い事と比べ、野球はバット、グローブ、スパイクをはじめ必要な道具も多く、それぞれの価格も高めです。ウエアの費用も練習着、ユニフォーム共に他のスポーツより高くつきがちです。さらに成長にあわせて買い換えていく必要もあります。

3.いつから始める?

野球の団員募集は小学1年生からのところが多いです。ほとんどのチームは小学校4年生以下と5,6年生でチームを分けて活動します。未就学児でも入れるチームやスクールもあり、最初のうちはボールやバットに沢山触れて、野球に慣れ親しんでもらうことを目標としているチームが大半です。遊び感覚で楽しく野球がスタートできるのでその点は安心ですが、大きな小学生と一緒にやるのは不安もあるかもしれません。お子さんの気持ちにも寄り添いながら考えましょう。

小学高学年から始めるのも決して遅くはありません。中学校の部活から野球を始めて芽を出す子もいますので、興味を持った時が始め時です。いつ始めるにせよ子どものやる気が大切ですが、親が子どもに野球を習わせたい、興味を持ってほしいという場合には、プロ野球の試合観戦やTVの中継試合を一緒に観てみるといいでしょう。

同じチームを応援したり、好きな選手を見つけたりするうちにお子さんの興味も湧いてくるかもしれません。野球をやっているお友達がいれば、その子の応援に行くのも良いですね。休日に親子でキャッチボールをしてみるのもおすすめですよ。

4.月謝の相場

月謝

少年野球の月謝は3,000~5,000円が相場です。スポーツ少年団など地域のチームであれば、1,000円~3,000円、リトル・シニアリーグでは3,000円~5,000円くらいが目安です。民間企業の運営するチームや野球スクールの場合には、月に5,000円~10,000円かかることもあります。基本は月額ですが、中には一回ごとに支払うスクールもありますよ。

年会費

チームによりますが、年会費の相場は3,000~10,000円くらいです。スポーツ保険を年会費に含み集金するところもあります。スポーツ少年団などのチームは年会費を徴収しないところが多いようです。

スポーツ保険

スポーツを行う団体はほぼ加入が義務付けられていますが、年間1,000円前後で加入できます。

遠征費

遠征試合などがあるチームでは、交通費や宿泊費、食事代(泊りの場合で一泊約12,000円~)などが別途必要となります。

イベント費

夏のバーベキューや年度末の卒団式など、チームの交流を目的とした食事を伴うイベントを行うチームもあります。イベントの費用はチームにもよりますが親子で3,000円~6,000円くらいで、その都度集金するケースが一般的です。

5.必要なもの

※チームによって必要なものや指定品が異なってくるので、入団が決まってから確認して購入しましょう。

グローブ

グローブは軟式・硬式の違いのほかにポジションによっても種類が異なります。価格も5,000円~20,000円と幅広いです。小学校低学年で購入するのであれば、大きなサイズへの買い替えも見込まれるので、最初は5,000円くらいの安めのものを買うことをお勧めします。

グローブは傷みの激しい道具ですので、日々のお手入れが大切です。土を落とすブラシや、グローブオイルでのメンテナンスも大切です。お手入れグッズはセットで2,000円程度で購入できるものもあります。

バット

相場は5,000円~20,000円くらいです。軟式用バットは5,000~10,000円程で購入できますが、硬式用のバットは20,000円以上になるものもあります。バットもグローブと同じく素材や、長さ、重さなど種類があり、お子さんに合ったものを購入しましょう。入団後、チームや仲間のバットを振らせてもらって、そこから自分の使いやすいものを購入すると良いです。

スパイク

スパイクの相場は3,000~10,000円です。スパイクは足の成長とともに買い替え、お子さんの足型に合った履きやすいものを選びましょう。小さなうちは紐ではなく、マジックテープ式が便利です。チームによってはトレーニング用のアップシューズを別に購入しなければならないところもあります。

ユニフォーム

ユニフォームはチームで指定されている場合がほとんどです。上下のユニフォーム以外にも、帽子、ストッキングなどを購入し、合わせて15,000円~20,000円くらいになります。

アンダーシャツ

ユニフォームの下に着用します。洗い替えと半袖・長袖を含めて5枚くらいあると良いです。価格は1,000円~5,000円くらいです。

アンダーストッキング(靴下)

ストッキングの下に履くアンダーストッキングは、指先やかかとなど消耗の激しいものなので、安いもので十分です。3足組1,000円くらいから揃っています。

練習着

練習着は上下で3,000~5,000円くらいです。上下ともに白いデザインのものが一般的です。連日練習のあるところは2着揃えておくと安心です。

帽子

チーム指定の帽子を練習時も着用するチームがほとんどですが、練習は別のものを使用するチームもあります。価格は2,000円前後でこちらも白が主流となっています。

ベルト

試合用ユニフォームに合わせチームで指定されるところもありますが、黒色が基本です。価格は2,000円前後です。

バッグ

道具を持ち運びするバッグは5,000円くらいからそろっています。

他に必要に応じてバットケース、バッティング用の手袋、遠征時のお弁当を入れるクーラーボックス、冬場はベンチコートなどの防寒着などがあります。

※家での練習にあると良いもの
本格的に野球をするようになれば、家での練習も欠かせません。できる範囲で家で練習できる環境を整えられるといいでしょう。

ボール

軟式、硬式とチームのスタイルに合ったボールを購入しましょう。2~12球のセット売りがあります。価格は2級セットの軟式球で1,000円程度になります。

バッティングネット

家でのバッティング練習に欠かせないネット。6,000~20,000円くらいが相場です。コンパクトに収納して持ち運びができるものもありますよ。他にもバッティングフォームを確認するための姿見(鏡)があると自宅での練習により打ち込むことができます。

6.どこに通う?選び方のポイント

通いやすさ

練習場所への通いやすさは大きなチェックポイントです。子どもが自分で通える場所でなければ、親が送り迎えをしなければなりません。親の仕事や子どもの宿題なども考慮して無理のない範囲で選べるとよいでしょう。

練習日程

スケジュールは少ないところで週1回、多いところで週3,4回となります。平日は夕方の2時間程度、休日は午前、午後どちらかの3時間程度としているところが多いです。練習量の多いところですと、休日はお弁当を持たせて、丸一日行うところもあります。試合の場合も一日がかりになることが大半でしょう。強豪チームや試合に勝つことを目的としているチームは練習日程も多めです。土曜、日曜どちらも練習があれば、心身ともにお子さんへの負担が発生してきます。学校の宿題はやれるか、塾や他の習い事などと両立はできるのかなど親子で話し合いましょう。

チームのレベルや雰囲気、コーチの指導方針

全国大会に出場するような強豪チームもあれば、楽しむことが目的のチーム(スクール)もあり、チームのレベルは幅広く、雰囲気も変わってきます。将来プロを目指すくらい野球がうまくなりたいのか、それとも仲間と楽しく野球をすることが一番なのかなど求めるものにより選ぶチームも変わってくると思います。そのためまずは見学や体験に行ってみることがおすすめです。その際親も一緒に参加し、コーチの人柄や指導方針もみておくと良いでしょう。コーチは子どもに良くも悪くも大きな影響を与え、チームの雰囲気も変わってきます。コーチで入団先を選ぶのはなかなか難しいことではありますが、どんなコーチでお子さんに合った指導方法かどうかも確認できると良いです。

費用

月謝や道具類の購入費用に加え、遠征費など後から発生する費用もあるので、こちらも事前に確認するとよいでしょう。

7.親の負担は?

当番制度

当番がする主な仕事は、道具の準備や片付け、コーチへのお茶出し、怪我や体調など練習中の子どものサポートなどで、練習の始まりから終わりまで付き添います。当番はチームの保護者の人数にもよりますが、月に1~2回くらいの割合で順番に回ってくるところもあります。

遠征試合や合宿の付き添い

試合があれば、子どもたちの送迎やサポート、道具の運搬、開催者と手続きのために、保護者の付き添いが必要となってきます。遠方の試合では宿泊の可能性もでてきます。合宿でも一緒に宿泊をしたり、施設によっては食事の準備を自分たち(保護者)でしなければいけないところもあります。親が付き添いをするとなった際、小さな兄弟がいるご家庭は、下の子の預かり先も検討しなければなりません。民間企業が運営するスクールやチームでは、そういった親の負担はほぼなく、送迎のみすればよいというところもあります。

自宅練習の相手

野球はバッティングや素振りなど自宅での練習も必須になってきます。バッティングマシーンがあればよいのですが、ないうちはボールを投げてあげたり、フォームチェックをしてあげるなど、練習の補佐が不可欠です。また近年は野球の練習が行える場が少ないので、自宅にネット設置するなどそういう環境を作ってあげることも必要となってきます。

8.こんな子にオススメ!

仲間とスポーツを楽しみたい

チームの勝利は仲間との連携無くして成り立ちません。その喜びは個人競技では味わえないものです。反対に負けた時の悔しさも共有できるのは、団体スポーツならではの醍醐味ですね。また野球は地域に根差した子どもの習い事であることが多く、その場合同じ学校の子がチームに在籍していたりして友達の輪も広げやすいでしょう。

体力をつけたい

野球に限らず、スポーツの習い事全般に言えますが、日々の練習は体力の向上を目的としているチームが多く、自然と基礎体力が向上していきます。入団したばかりの時はきつかったメニューもこなしていくうちに出来るようになって、本人も見ている親も実感できるでしょう。

礼儀や社会性を身につけたい

これは親目線かもしれませんが、礼儀に厳しい野球は、周りの人への挨拶や感謝を伝えることなど、コーチが重んじて指導をしてくれます。野球以外の場でも、きちんと挨拶ができる子に成長していくでしょう。コーチの厳しい指導も精神面が鍛えられ、社会で生きていくうえで必ず役に立つ経験となるでしょう。

野球は親の負担もありますが、それ以上に得るものもたくさんあります。野球を通して、子の成長を見られるのも喜びのひとつとなるでしょう。お子さんに最適なチームやスクールを見つけ、親子で楽しく参加できるとよいですね。

投稿者プロフィール

Yukari
Yukari
物心ついた頃からお菓子作りやハンドメイドにはまり、
暇を見つけては手を動かして、自己満足でお家時間を満喫しています。
毎日の暮らしをちょっとおしゃれに、楽しく、無理しない♪がモットー。
中学生と小学生、一男一女の母。
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