習字は何歳から習う?子供の習字教室の月謝や選び方

習字と言えば今も昔も変わらない子供の習い事の定番。綺麗な文字は、老若男女問わず誰にでも良い印象を与え、手紙や履歴書など役に立つ場面もたくさんあります。でも何歳から始めるのがベストなのか、月謝はいくらなのか、ペン習字と書道はどちらがいいのか、気になることも多いでしょう。ペン習字と書道ではどちらを選ぶかで得られる効果も違います。今回は、習字教室の選び方をまとめてみました。

1.習字教室とは?

習字とは文字通り、「字を習うこと」です。教室では正しい筆順でお手本を見ながら書く練習を繰り返し、バランスよく整った字が書けるようになることを目的とします。習字では毛筆だけでなく、鉛筆やペンといった硬筆も使用して練習します。最初は鉛筆や毛筆の持ち方から始まり、正しい書き順・筆順や美しい文字の書き方を学んでいきます。

大半の教室が鉛筆からスタートし、徐々にペンや毛筆も使っていきます。教室にもよりますが、最初の課題はひらがな2文字。ある程度文字が書けるようになったら、毛筆・硬筆それぞれの課題に取り組んで、先生の添削指導を受け、おさらい、書写という練習を繰り返して、清書を仕上げていきます。教室によっては各教室が定める検定に挑んで、級や段をあげていきます。

ペン習字(ペン字)と書道の違い

習字とよく似た言葉にペン習字やペン字、また書道と言った言葉があります。「ペン習字」は正しい筆順で「とめ」「はね」「はらい」などを意識しながら、お手本をよく見て、正しく整った字を書くコツを習うことが目的となります。小・中学校の授業にある「書写」も習字と同じ目的です。一方、「書道」は文字の筆法を学び、文字に芸術性を持たせて書き、その表現性や美しさを習得するのを目的としています。そのため、芸術的要素が強くなります。子どもの習い事としては「ペン習字」が主流となるでしょう。その発展として同じ教室で中学年くらいから「書道」を教えるところもあります。

2.メリットとデメリット

メリット

  • 綺麗な文字が書けるようになる
    一番のメリットは、やはりきれいな文字が書けるようになることでしょう。パソコンやスマホに慣れてしまった現代でも、ふとしたところで美しい手書き文字に出会うと、ハッと心を奪われますよね。「書は人なり」と言われるように、美しい文字は人の心に好印象を与えます。大人になっても自信をもって字を書くことができますね。
  • 良い姿勢が身につく
    教室では、長机に横並びに正座して書く昔ながらのスタイルの他、椅子に座って書く教室も増えてきました。どちらもきちんとした姿勢で椅子に座ることが大切です。最初はじっと座って字を書くことが苦痛になってしまうこともあるかと思いますが、周りのお兄さん、お姉さんの姿をみて、小さなお子さんでも自然と身についていきます。
  • 集中力が鍛えられる
    お手本通りに筆やペンを運び、字を書くという動作は、集中力を要します。「トメ」「ハネ」「ハライ」に注意して、一文字一文字丁寧に書く練習を繰り返すことで、物事に集中して取り組む力が付くことが期待できますね。習字で身に付いた集中力は、学校の授業や自宅での学習にも役立つことでしょう。

デメリット

  • 服についた墨汁が取れにくい
    墨汁のシミは通常の洗濯では落とすことができず、お洗濯に手間がかかります。毛筆の扱いに慣れない小さなお子さんは、服や持ち物を汚して帰ってくることもあるでしょう。高学年になれば自ら汚す心配は減りますが、席の近い生徒さんから思わぬ被害を受けることもあります。教室には黒い服を着せていったり、汚れてもよいスモックを持たせるなどするとよいでしょう。お子さんも気兼ねなく集中して練習に取り組めます。
  • 上達しないこともある
    教室に通うことによって大半のお子さんが綺麗な字を書けるようになっていきますが、反対に長年通っても中々上達しないお子さんも見られます。習字の上達には個人差があり、センスも少なからず影響してきます。目に見える上達がないと、やる気をなくしてしまうお子さんも出てくるでしょう。
  • やる気の維持が難しい
    段位や級位の取得制度はあるものの、大きな目標設定が難しい習字。親の意思で始めたお子さんも多く、最初は言われるがまま通っていたお子さんも、成長するにつれ、他のことに興味を持ったり、通うのを面倒に思う子も増えてきます。お子さんのやる気やモチベーションを維持するのが難しいことも習字の特徴であるでしょう。
  • 教室を辞めてしまうと字が汚くなることもある
    教室に通い、きれいな字が身についても、教室を辞めた後もそれを維持していくことが難しい場合もあります。習い事に通い続けるのは難しいもので、上でも述べたように高学年頃になると好き嫌いもはっきりとしてきますし、中学生になれば勉強や部活動で習い事に通う時間も取れなくなりがちです。学年が上がれば上がるほど「書く」作業も増え、時間との闘いになることもしばしば。そうなると丁寧に書くことを維持しにくくなります。また、ファッションと同じように字にも流行りがありますので、特に女の子の場合は流行に合わせているうちにクセがついて字形が崩れることもあります。

3.いつから始める?

では習字を始めるタイミングはいつがいいのでしょう。習字は個々で行う習い事であり、内容においても何歳からでも、いつからでも始められる習い事です。中でも親さんにとっても習字に通わせようと思うタイミングは大きく分けて3つ挙げられるでしょう。

会話が成り立ち、クレヨンやペンを持つことも増えてくる3歳頃

多くの習字教室が、3歳前後の年少から受け入れをしています。まずは硬筆から始め、鉛筆の正しい持ち方、字の書き方を学びます。早い段階から文字の書き方を身につけることは、小学校への入学準備になり、それを期待して習字を始めさせる親御さんも多いです。また脳の活性化の点においても、3歳頃から習字を始めると高い効果が得られると言われています。

静と動が使い分けられるようになり、小学校入学を見据えた準備を始める5歳頃

「文字の読み書きがある程度できるようになり、ある程度の時間座って習字に取り組めるようになる」時期が、習字を始めるのに最も良い時期だと言う意見もあります。物事を習得するには先生の指導を理解できる力も必要です。その観点で考えると、5歳前後の年長の頃がベストと言えるかもしれません。

本格的に字を書く勉強が始まる小学校入学時

小学校の書写の授業で毛筆が始まるのは3年生です。毛筆を上達させたいのなら、授業が始まる前の小学校1,2年生でスタートさせると良いでしょう。またこの時期は学校のプリントやノートの文字の乱れが気になって、習字に通わせはじめる親御さんもあります。

おすすめのタイミングを3つ挙げましたが、習字を習う時期に「遅い」ということは全くありません。事実、「美文字」などと呼ばれる成人向けの書写テキストも世の中にあふれていますよね。お子さんの文字の癖が気になったり、お子さんが習字に興味を示したら声をかけてみましょう。

4.月謝の相場

習字の月謝の相場は、月4回、一回30分程度の頻度で3,000円から5,000円くらいです。英語教室やピアノ教室の相場が5,000円から10,000円であるのと比べれば、習字教室の月謝は低額だと言えます。
月謝のほかにかかる費用としては、検定費や展覧会などへの出展料、お手本代、入会金などがあります。費用は教室により異なるので、事前に確認しましょう。

5.必要なもの

ペン習字の場合

ペン・鉛筆

鉛筆
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最初はペンか鉛筆からスタートする教室が多いです。ペン・鉛筆共に教室で指定されたり、支給されることがあるので、先生の指示に従いましょう。

ペン習字は教室によって、専用のテキストを使ったり、専用の用紙を使ったり、ノートを使ったりとやり方も様々です。鉛筆とセットで考えられる消しゴムも使わない場合も多いです。紙や消しゴム、下敷きの用意に関しては各教室で確認して下さいね。

書道の場合

書道セット(習字道具)

書道セット
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書道に必要な半紙以外の道具が揃ったセット。持ち運びしやすいようにバッグもついています。価格は¥2,000~¥4,000程度です。昔は黒・青・赤のシンプルなデザインが主流でしたが、最近ではオシャレなデザインの習字道具も増えています。教室によっては指定品がある場合もありますので、確認してから購入して下さいね。セットに入っている道具は、個別に購入することもできます。ただし、初めて購入する場合であれば、セットでの購入の方が安くなりますので注意して下さい。

毛筆のサイズは3号から5号のものと、名前を書くための小筆の二本が必要です。最初は半紙を使用するのでこのサイズとなりますが、上達してきて長い紙に書くようになるとこれより大きなサイズを使うこともあります。価格は3号から5号が2,000円、小筆が1,000円前後です。

墨には、水ですって使用する固形タイプと最初から液状になっているタイプ(墨汁)の2種類があります。お子さんには墨汁をおすすめします。墨をするのは時間を要します。限られた時間で十分な練習と指導が受けられるようにそのまま使える墨汁を用意すると良いでしょう。墨は100円ショップでも購入できますが、質を考えると300円前後で売られているものをおすすめします。

硯(すずり)

墨をすったり、墨汁を入れ、筆に墨汁を含ませるための道具です。本来の硯は石製ですが、お子さんにはセラミック製の300円くらいのもので十分です。

文鎮(ぶんちん)

字を書くときに紙がずれないように抑える道具です。ある程度の重さがあり滑りにくいものが良いでしょう。300円くらいで購入できます。

下敷き

字を書くときに紙の下に敷きます。字を書きやすく、また机を汚さないために使用します。大体がフェルト素材でできています。マス目が印刷されたものもあり、最初の購入におすすめします。900円前後で購入できます。

紙(半紙)

書道 半紙
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習字で一番消耗する道具です。紙の質と価格には幅があり、書き心地に左右します。100円ショップの物ではなく、書道メーカーから発売されているある程度の質を持つものを購入しましょう。100枚入りで350円くらいから揃っています。

6.どこに通う?選び方のポイント

習字教室は個人の教室が多く、それぞれの特徴を比べるのは難しいところですが、見極めるポイントをまとめました。

先生の指導・書道能力

習字や書道と言うものは、芸術的な要素が加わるため、先生の書のスタイルや腕前も千差万別です。先生によって得意・不得意分野もあります。お子さんにある程度の腕をつけさせたいのであれば、先生の書かれた書を見せてもらうと良いかもしれません。また、先生が書道の勉強を続けているか、学ぶ意欲を持っているかということも重要です。協会に所属されていれば、展覧会に向けて定期的に作品作りに取り組み、品評もされるでしょうから、判断基準のひとつになります。先生によっては挨拶や座り方など礼儀作法を重んじる方もおり、子どもに礼儀を学ばせたい方にはぴったりでしょう。

段位や級位が取れるか

段位や級位を取ることは、子どものやる気につながります。また目標をもって取り組んだ方が上達も早くなります。検定に合格すれば自信と喜びになり、次の目標もうまれます。検定の制度の有無は、先生が協会に所属しているかどうかにより異なり、制度の内容も協会により様々です。検定では上達してきて定められた段が取得できれば、人に教える資格(師範)を得ることもできます。先生になることはなくても、段位や資格は、入試や入社試験でアピールできます。特技として将来役に立つことがあるかもしれません。段位の制度については教室に入る前に確認してみましょう。

個人か大手企業の経営か

習字教室は個人で行われているところが大半ですが、大手企業が運営する教室もあります。大手の教室では、会社が制作したお手本プリントを使って練習をします。先生の文字の癖が影響しないというメリットがありますが、先生の中には書道師範の資格をもっていない方もいます。企業の研修を受けた方が先生となるため、将来的には芸術的書道を学びたいと思っている方には、師範資格とある程度の技術を持った個人の先生の教室で学ぶことをお勧めします。

7.親の負担は?

習字は他の習い事と違って親の負担がほとんどありません。家から通えるような場所であれば、小学生にもなれば自分で通うことができるので送迎の手間も省けます。しいて言えば書道の場合「汚した時の洗濯の手間が増える」ことぐらいでしょう。ご経験のある方もあるかもしれませんが、衣類についた墨汁は洗濯してもなかなか落とすことができません。万が一お子さんが墨汁を付けてきてしまった際には、歯磨き粉やキッチン用中性洗剤、漂白剤、ご飯粒などを用いた様々な落とし方が、ネットで紹介されていますので参考にしてみてください。なるべく早く対処するのもポイントです。墨汁には洗濯で落ちやすいタイプの物も市販されていますので、それを使用するのもよいでしょう。

8.こんな子にオススメ!

  • 綺麗な字が書けるようになりたい!
    学校のテストやプリントに雑で読みづらい文字を書くお子さんは、習字教室で文字を丁寧に書くコツを習ってみると良いでしょう。親御さんがおうちで宿題の文字の雑さを注意しても、お子さんはなかなか聞き入れてくれないもの。他のお子さんもいる場所でじっくり取り組み、先生の指導を受けられる習字教室は、そんなお子さんにぴったりかもしれません。
  • 何か特技を持ちたい!
    美しく整った文字は年齢・性別を問わず、誰が見ても好印象を与えますよね。綺麗な文字が書けるということは生涯にわたって誇れる特技となります。履歴書の記入や、目上の方へのお手紙、ご祝儀袋の記名など、役に立つ場面も沢山あります。子どもの時に得た特技が大人になっても使えるのは、習字ならではですね。
  • 集中力をつけたい!
    学校の授業がじっと座っていられないお子さんや、落ち着きのないお子さんに習字を習わせてみるのも良い手段です。座って丁寧に字を書く習字は、自然と集中力が鍛えられます。最初のうちは苦痛に思えるかもしれませんが、教室に通うにつれ慣れてきて、学校の授業も落ち着いて受けらるようになれるでしょう。

費用をさほどかけることなく、習得すれば生涯の特技となる習字。良い先生を見つけて、長い期間続けられると良いですね。

投稿者プロフィール

Yukari
Yukari
物心ついた頃からお菓子作りやハンドメイドにはまり、
暇を見つけては手を動かして、自己満足でお家時間を満喫しています。
毎日の暮らしをちょっとおしゃれに、楽しく、無理しない♪がモットー。
中学生と小学生、一男一女の母。
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